09/11/06

警察法3(行政警察6・乱用の禁止1)

戦前には、とめどもない警察権の拡大行使によって、際限なく人権蹂躙された経験から、戦後は警察権の行使は、警察法2条2項にくどく書かれて抑制されることになりました。
また、行政警察分野は出来るだけ、それぞれの専門分野に任せる法律をつくり、直接警察権力が介入しない方向になっているのも戦後の特徴です。
現行憲法下における法律上の警察概念 を見てみましょう。
戦後直後の昭和22年に制定された旧警察法は「国民の生命,身体及び財産の保護に任じ,犯罪の捜査,被疑者の逮捕及び公安の維持に当たること」(1条) とし、昭和29年の新警察法(現行)も殆ど同じ文言です。
 新警察法(現行法)を見ましょう。 

新警察法            公布:昭和29年6月8日法律第162号
                     施行:昭和29年7月1日第一条(この法律の目的) この法律は、個人の権利と自由を保護し、公共の安全と秩序を維持するため、民主的理念を基調とする警察の管理と運営を保障し、且つ、能率的にその任務を遂行するに足る警察の組織を定めることを目的とする。
(警察の責務)
第二条 警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締その他公共の安全と秩序の維持に当ることをもつてその責務とする。

新旧警察法の「個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧」までが、司法警察ではなく行政警察の分野といえるでしょう。
このように今でも、わざわざ、法律には、第2条前段で先ず、「・・・財産の保護、犯罪の予防鎮圧」と書いているように警察の存在意義としては、行政警察的要素が先に認められています。
ただし、行政警察は、司法警察のように、事前の裁判官、検察官のチェックもないし、24時間以上の身柄拘束などしない限り事後のチェックもありませんので、人権侵害になりやすいのです。
そこで、次の第2条2項で厳しく訓示規定がおかれています。
この点は、同様の危険がありますので、軽犯罪法なども同様に厳しく規定されています。



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