09/10/06

行政警察4と司法警察の分離1

極端な言い方をすれば、刑法が出来るまでは、いろんな法律が殆どまだ未分化で、単細胞動物みたいに国が動いていたとすら言えるでしょう。
こう言う時代にイキナリ近代的理念で体系的刑法典を持ち込んでも国民が馴染みきれなかった・・立派過ぎる機械を買ってきても、使いこなせない状態と同じだったから、刑法典論争が起きたのでしょう。
勿論、民法も同時期(明治30年初頭)に出来たばかりですので、それまでは、学者を除けば、刑事と民事の区別も良く分っていなかったでしょう。
(今でも、事務所に相談に来る殆どの方には、良くわからないようですが・・・・?)
警察の話に戻しますと、このように行政警察から始ってきて、その機能の一部として、規制に従わない者に対する処罰・威嚇効果を発揮するために刑罰が生まれ、そのために捜査・検挙し裁判する分野が出来て来たと言うのが大雑把な歴史です。
このうち裁判準備過程と裁判行為に従事する強制装置を司法と言うようになり、裁判を中心とした両端・・「各種規制したり・・○○するなよ」と言う予防鎮圧段階と、裁判宣告後の刑罰執行段階を行政と言い分けているのです。
刑務所は法務省の管轄・・・行政庁の分野です。
この刑事手続の終わりの分野は、はっきり役所が分かれているので分かりやすいのですが、始りのところ・行政的規制の実施とこれに違反した者の捜査検挙を、警察が担当していて、同じ警察官が、するときの仕事によっては、司法警察と行政警察と言う機能別使い分けになっているので分かり難いのです。
長大な歴史的俯瞰をすれば、政治権力に必須の物理的強制装置のうち、刑事処罰・・・司法関係の独立専門化が進んだのが、司法権の独立と言われるものでしょう。
この司法権の独立の強化にあわせて、その周辺装置である警察も、権力からの中立化の要請を受けるようになります。
しかし、長年政治権力の中核である物理的強制装置として存在してきた警察の中立化は、なかなか容易では有りません。(権力の犬と言われる所以です)
そこで、警察の広範な強制権限のうち、司法に関する分野だけ抜き出して、司法警察といい、その分野だけは、検察官の支配下において、少しでも権力からの中立を図ろうとしているのが現行法体系でしょう。



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