09/04/06

保安処分4・・隔離政策2

刑事罰としなければ、うるさい裁判所を通さずにいくらでも拘束できる・・これが保安処分制度の眼目です。
こうした考え方は、後発先進国の日本やドイツだけの専売では有りません。
民主主義国の代表とされるアメリカでも、なんら犯罪を犯していない日系人が、アメリカ社会防衛のために収容所に入れられたのです。
戦時体制下で完成した昭和15年の改正刑法仮案は、社会防衛思想に基づき思想犯関係は保安処分で、その他の刑罰は大幅な重罰化で、国民を締め付ける方向でした。
このような無茶な保安処分制度や重罰化の実現を、戦後の自民党が何故必死になって成立を期しているのか良く分かりません。
何しろ自民党とは、自由と民主を標榜する党ですから、その党是からすると、保安処分の実現に反対するべき政党ですから、この実現を期する行動は矛盾です。
政権党として、社会防衛の責任感が強いだけでしょうか?
戦後は民主主義を名乗らないと生き残れないので、兎も角自由・民主党と表向き言っているだけで、本心は違う人が多いのではないでしょうか?
極東軍事裁判の結果を受け入れるといいながら、「宗教は内心の自由じゃないか・・憲法で保障されている」と開き直って、A級戦犯を靖国で祭り参拝に行くのと同じです。
ただし、9月3日・・・2のコラムで書いたように、保守とは、予め危険に備えておくと言う意味でもあるのですから、保守党である自民党が、保安隊の創設に始まり自衛隊の軍隊化や保安処分に熱心なのは、本来の意味から言えば、分かるような気がします。
ところで、戦前は思想犯だけでなく、最近話題になって有名な「らい予防法」に始りいろんな分野で隔離政策が花盛りでした。
ごみは掃き出せばいいし、溜まったゴミは川や海に流せばいいと言う考えが、長かったのですが、これらも同じ考えでしょう。
伝染病予防法、身体障害者、智恵遅れ、精神病者、結核患者、すべて社会からの隔離が原則でした。
江戸時代の島流しや江戸からの追放刑も、その考えの基本は同じでしょう。
考えようによっては、死刑執行は究極の隔離かもしれません。



関連ページリンク

Powered by msearch
稲垣法律事務所:コラム:検索

検索ベースはこちらから

 


コラムTOP

リンクを当コラムにはられる方はお読み下さい

©2002, 2003, 2004, 2005, 2006, 2007, 2008 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design / Maintained by Pear Computing LLC



ブログ
株式投資