09/04/06
保安処分3・・隔離政策2(ホロコースト)
ナチスは、スケープゴートとして、ユダヤ人を隔離しているうちに、戦局が思わしくなくなったことから、その維持費用が出せなくなって来たものです。
そこで、病人や子供など非労働力を選別して(シンドラーのリストで御存知のとおりです)ガス室送りに行き着いたもので、初めから殺害を計画していた訳では有りません。
一方的な勝ち戦であった物量豊富なアメリカでさえ、理由もなく人種差別思想で強制収容所へ日系人を放り込んだのですから、(財産まで没収しました)、もしも、アメリカの負けが込んでいたら、日系人に対して何をしたか知れません。
アメリカの日本に対する無差別爆撃(と言うよりは、人命に対する狙い撃ちでした・・・東京大空襲では、焼夷弾を四方から投下して逃げられなくしてから、次第に焼夷弾の投下地域を狭めて行く残虐なやり方でした)や原爆投下も、勝敗が殆ど決まってから必要性もなく行われたのですが、彼らに言わせればちょっとやり過ぎただけだったと言うことになるのでしょう。
いわゆる戦犯に対する考え方はいろいろあるでしょうが、「死に物狂いでやった」方に比べれば、
戦勝国であるアメリカの方が、戦勝国でゆとりがあった分だけ、似たことをやった罪が重いはずです。
わが国では人種差別による隔離政策の必要性は有りませんでしたが、ガン細胞化していた右翼国粋主義者にとっては、思想信条による隔離政策が期待されていたのです。
(ナチスの収容所の例で分かるように、隔離政策はコストがかかるので、国粋主義思想に反するものに対する脅迫による締め付け本来の狙いだったでしょう。)
例えば、戦前に保安処分制度が出来ていれば、無理に犯罪をでっち上げなくとも共産主義者と言うだけで危険人物として強制収容できたのです。
保安処分制度を実現できないまま終戦を迎えたので、特高は、拷問その他で、大逆罪をでっち上げる必要があって、自白強要に走らざるを得ず、歴史上汚名を残したのです。
もしも保安処分制度があれば、犯罪の認定がいらなくなってしまうのですから、政府は好きなように社会主義者・・あるいは政府の政策に反するものを、危険分子として社会から隔離(しかも無期限です)できたのです。
現在でもそうですが、憲法で基本的人権が守られていると言っても、それは刑事罰に関する分野だけであって、司法警察の家宅捜査には令状が要りますが、行政警察・行政秩序維持のための立ち入り検査には、裁判所の令状が要らないのです。
(たとえば税務調査、保険所の検査など、直ぐに思いつく事柄が身のまわりにいくらでもあるでしょう)
「なあんだ、尻抜けだらけか!」言うのが、現在の法体系です。
こうしたわけで、行政警察については、皆さんに関係ないコラムだと思っている方が多いと思いますが、けっこう重要な分野です。
行政警察については、連載中でしたが、08/30/06「警察2(行政警察3)違警罪即決例4」以来、横道に入っているだけですので、そのうちに戻ります。
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