09/01/06

刑事関係法(実体法)の歴史17(旧刑法3)と刑法施行法1

前回までのコラムでお分かりのように、最初の刑法は、治罪法と同時に制定されたもので、この法律が出来るまでは、○○律と言い、刑法とは言わなかったのです。
ボワソナードによる編纂作業までは、遣唐使以来の伝統意識が抜け切れず、まだまだ中国の方が勉強の対象・・学ぶべきことが多いと思っていた時期があって、清律の移植に精出していたからです。
今でも、ドイツへ留学したと言えば、箔がつくのと同じです。ところで、旧刑法と言う言葉は、誰かが勝手につけた言葉ではなく、現行刑法施行法に定義されているのです。

刑法施行法
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公布:明治41年3月28日法律第29号
施行:明治41年10月1日

第一条 本法ニ於テ旧刑法ト称スルハ明治十三年第三十六号布告刑法ヲ謂ヒ他ノ法律ト称スルハ刑法施行前ニ公布シタル法律及ヒ勅令、布告ニシテ法律ト同一ノ効力ヲ有スルモノヲ謂フ。

旧刑法を見ましょう。

刑法

公布:明治13年7月17日
施行:明治15年1月1日(明治14年太政官布告第36号)
廃止:明治41年10月1日(刑法(明治40年4月24日法律第45号)上諭)
なお効力を有する規定:刑法施行法(明治41年法律第29号)第25条及び第37条により、第31条、第33条、第2編第4章第9節、及び第2編第5章第3節

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刑法別冊ノ通改定候条此旨布告候事
 但実際施行ノ期日〈明治15年1月1日〉ハ追テ布告〈刑法治罪法施行期限(明治14年7月8日太政官布告第36号)〉スヘキ

事ついでに、少しばかり条文を紹介しておきましょう。
以下の条文は現行刑法施行時に、なお旧刑法の規定を適用するとされた部分です。

刑法施行法
第三十七条 他ノ法律中旧刑法第三十一条又ハ第三十三条ノ規定アル為メ人ノ資格ニ関シ別段ノ規定ヲ設ケサリシ場合ニ付テハ旧刑法第三十一条及ヒ第三十三条ノ規定ハ人ノ資格ニ関シ刑法施行前ト同一ノ効力ヲ有ス

 第三節 附加刑処分
第三十一条 剥奪公権ハ左ノ権ヲ剥奪ス
 一国民ノ特権
 二官吏ト為ルノ権
 三勲章年金位記貴号恩給ヲ有スルノ権
 四外国ノ勲章ヲ佩用スルノ権
 五兵籍ニ入ルノ権
 六裁判所ニ於テ証人ト為ルノ権但単ニ事実ヲ陳述スルハ此限ニ在ラス
 七後見人ト為ルノ権但親属ノ許可ヲ得テ子孫ノ為メニスルハ此限ニ在ラス
 八分散者ノ管財人ト為リ又ハ会社及ヒ共有財産ノ管理スルノ権
 九学校長及ヒ教師学監ト為ルノ権
第三十三条 禁錮ニ処セラレタル者ハ別ニ宣告ヲ用ヒテ現任ノ官職ヲ失ヒ及ヒ其刑期間公権ヲ行フヲ停止ス



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