09/08/05

ローマ帝国の滅亡2(新規発明枯渇交易停滞1)

技術が伝播するには、古代では千年単位の時間の必要があったでしょうし、そのうえ、ある大きな発明があると、これをもとに新たな発明を生み、さらには、その複合体としての新たな文化も生れ、それに付随する関連製品も生れると言う具合に、1000年程度はまさに、いつ終わるともなしに次から次へと先行して進化していったものでしょう。
しかし、起爆剤としての大きな発明や発見が終わると、幹が駄目になると枝葉が枯れるように次第に萎れてしまいます。
9月7日の1のコラムで、心臓手術の例を説明しましたが、次々と新しい発明・発見がなければ、技術が広がるにつれていつかは、周辺と大差がなくなります。
先進国では、常に先端技術の開発・発明がなければ、これを学ぶための留学生がこなくなるでしょう。
村の鍛冶屋がどこの村にもあり、大工の棟梁もどこの村にもいる、書道の先生もいると言う具合に、そこそこに間に合うようになると、よほどのことでもなければ、一生涯一つの村から出たこともなくとも暮らせていける時代が来るのです。
村単位で需要が足りなければ、一つの郡内には、陶器を焼く工房もあるという具合に、その地域の需要を満たせるほど、行き渡ってくるのです。
大都会にまで出かけていく用事が、殆どなくなります。
まして、海外にまで行く必要がなくなるのは当然です。
技術格差が少なくなると、遠隔地交易の対象は、近隣で原料の取れないものだけに限られて来ます。
しかし、原料貿易は、輸送手段の制約がありますので、さしあたりは製品の交易になるのでしょうが、交易品が原料のない物産だけに限られる以上は、交易品は先細っていきます。
こうなると、ものすごい技術格差を前提に(爆発的に)ものが売れた時代の仕組みで成り立っている古代都市国家は、中継貿易機能しかなくなってきて、その規模を維持できなくなって来るのは当然です。
(中世のベネチュア共和国程度が、適正規模だったでしょう)
世界の工場と言われたイギリスが、世界の工場でなくなった以降は、次第に元気を失っていくのと同じです。
これが古代ローマの没落・滅亡の原因だったのです。



関連ページリンク

Powered by msearch
稲垣法律事務所:コラム:検索

検索ベースはこちらから

稲垣法律事務所コラム内:都市に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:ローマに関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:歴史に関するコラム



コラムTOP

リンクを当コラムにはられる方はお読み下さい

©2002, 2003, 2004, 2005, 2006 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design / Maintained by Pear Computing LLC



ブログ
株式投資