09/09/04

「勝てば官軍」1(薩長閥と戦後政治家の変遷)

ところで、私は子供が小さいころから、末っ子のオムツやバギーをもって、家族で鹿児島には何回も旅行しましたが、(各1週間前後)これまでのところ、日本中で最も「じん気のいいところ」だと家族中で思っていて、鹿児島人とその風土の大ファンです。
ですから、「火の気のないところに煙が立たない」の喩えどおり、本当に西郷さんは人柄がよかったのではないかと思いますが、このコラムはそういう個人的好みで書いているのではなく、政治・法律史を考えているだけです。
明治維新当時に生まれた「勝てば官軍」と言う諺は、
  「昨日までの賊軍でも勝てば官軍となる。」
と言う意味に使われていますが、それは表向きの意味であって、勝った者は、「黒を白に強弁できる」と言う権力者に対する抵抗感を表した諺ではないでしょうか?
明治維新にあたって勝ち組みになった方が、自分達の都合のいいようなことばかり言うのを聞いた市民が、「嘘ばっかり!」という代わりに、皮肉をこめて「勝てば官軍だから・・・」と言外の批判を込めて生まれたのが、「勝てば官軍」と言う諺だと思うのです。
江戸時代に発達した川柳・狂歌の知恵でしょうか?
我々後世の者は、こうして勝者の残した表にしか残らない嘘ばっかりかもしれないフィクションを、歴史そのものと思い込みがちです。
01/31/04「吉宗以降の幕府 2」のコラムで書きましたが、戦後徐々に、新撰組などをテーマにした時代劇が多くなったのは、100年以上過ぎて、薩長閥が薄まって来て、マスコミや文化人が公平になりつつあるからではないでしょうか。
ちょっと最近の総理の出身地域を見ておきますと、岸、佐藤栄作兄弟まではご存知長州出身ですが、以降は、田中角栄(越後)、福田赳夫、(上州)大平正芳(香川)、鈴木善幸(盛岡)、中曽根康弘(上州)、竹下(島根)、宮沢(広島)、宇野宗佑、(滋賀)細川(熊本)、羽田(長野)、海部(岐阜)、村山(大分)、小渕(上州)、森(石川)・・・・と、薩長から完全に離れたのです。
これが、マスコミが新撰組や会津を主人公にした物語を取り上げやすくしたのでしょうし、マスコミや文人もそうした地域以外から出ている人が多くなったことも大きいでしょう。
ただし、今の小泉総理の父は、鹿児島県加世田市出身ですので薩摩系かと思う向きもあるでしょうが、彼は薩摩系として政治家になったのではありません。
横浜市金沢区出身で毎日新聞記者から政治家に転身し、神奈川を地盤にして当選を重ね、衆議院副議長までなった小泉又次郎の婿養子に入った2世議員でしかなく、薩摩閥とは関係がありません。
安部自民党幹事長は、岸信介の孫ですから長州系であることはご存知の通りですが、佐藤栄作以降30年も期間があきましたので、もはや、長州閥と言えるものではないでしょう。



関連ページリンク

Powered by msearch
稲垣法律事務所:コラム:検索

検索ベースはこちらから

稲垣法律事務所コラム内:天下りに関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:幕府 に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:徳川に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:江戸に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:世襲に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:秀才に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:人材に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:幕末に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:社会の高度化、教育に関するコラム


コラムTOP

リンクを当コラムにはられる方はお読み下さい

©2002, 2003, 2004, 2005, 2006, 2007, 2008 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design / Maintained by Pear Computing LLC



ブログ
株式投資