09/30/03

地方自治と人材1(憲法36)

戦前は知事も官選でしたし、地方自治はありませんでした。
組織分掌の原理で、一定の役職者に一定の裁量権が与えられていただけです。
こうした考えは、理事と代表者の違いのコラム(9月1日ころから20日ころまで)で連載しました。
民主主義の基本は、健全な地方自治にあるとするアメリカ・イギリスの思想によって、新たに地方自治制度が、憲法上創設されました。
先ず、憲法の条文の紹介をしましょう

憲法

第8章 地方自治
 
第92条 地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。
 
第93条 地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する。

  1. 地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。

第94条 地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。
 
第95条 一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。」

草の根の民主主義という言葉がありますが、真に民主主義が根付くためには、草の根、すなわち地方の身近な問題についての民主主義的経験がなければなりません。
G H Qでは、民主主義を根付かせるためには、時間がかかっても、司法権の独立と、地方自治の確立が、足腰を強くするために絶対必要と考えたのでしょうし、政府は逆に、これらの骨抜きに必死になってきたのが戦後政治だったと言えるかも知れません。
司法権の独立については、戦後改革時に裁判官の給源である司法試験制度および修習性の給与まで細かく制度化しておきましたので、何とか今回の司法改革まで持ちこたえることができました。
司法権とそれを支える人材の重要性に関しては、6月13日以降のコラムで紹介しています。
ところが地方自治については、自治体首長の公選制は憲法で明記しましたが、その他地方自治を保障する制度整備には、あまり力をいれず、法律にゆだねてしまいました。
結果的に自治体警察や教育委員会の公選制度を創設した程度で、魂の入れ方が足りなかったように思います。
おかげで、憲法学者もあまり力を入れて研究していなかったように思いますが、長い目でみた国家の発展や民主主義社会の定着成熟には重要な制度だったのです。
その結果、地方自治制度は、戦後あっという間に元に戻ってしまったことは、ご承知のとおりです。
今や、と言うより、私がもの心ついたころには、既に、自治体警察などは実質的に姿を消していました。
形式的には、今でも、〇○県警察本部と言う自治体警察形式をとっていますが、本部長どころか、中堅以上は、国家公務員になっているのですから、ほんの薄い皮をかぶったお化けみたいなものです。
地方自治にとって独自に使える予算は、重要ではありますが、(政治家にとっては1番の関心でしょう)もっと重要なのは、人材を地方にまわすことです。




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