09/26/03
教育改革・・・・明治維新と学制改革 4(文部省)
そうして、いよいよ、文部省の登場です。
明治4年7月の廃藩置県の数日後には、教育行政と教育を所管する大学が廃止されて文部省が設置されました。
この文部省は、数年前に科学技術庁と統合されて文部科学省となるまで続いたのですが私は良い名前だったと思います。
文部省と言うのは、もともと、体育系や理科系に対する文科系を意味するものではなく、科学技術も含めた教育万般・国民の文化・知的レベル(今の言葉で言えば、「民度」ですかね?)の上昇を目指す役所のことですから、当然大学の理学部も医学部も、みんな包摂していましたよ。
もちろん高校でも数学や物理を教えていましたし、高校野球で知られているように、各種体育も教えていました。
いまさら科学技術も扱うからといって、文部科学省などと改名する必要はないように思いますがね。
もちろん「ロケットを飛ばす研究や実験は、教育分野ではない」という理屈はわかりますが、そうすると、産業振興基盤つくりか?または、将来の軍事転用目的かという議論になってきて、通産省か防衛庁との合併が本筋となります。
しかし、それでは、生臭さすぎますので、結局文部省との合併に落ち着いたのでしょうか?
こうした教育を通り越した高度な研究や実験する分野は、教育担当の文部省からはみ出るので、各種国立の研究所として科学技術庁で括ってきたのは、それなりに意味があったのですが、このようにはみ出すたびに新しい役所を作っていたのでは、役所だらけになってしまいます。
その意味では、今回の省庁統合は必要なものですが、どこかに合併する以上は、そういうことも踏まえて、包摂する良い名称を考えてほしいものです。
もともと、大学という概念は、単なる(上からの)教育をしたり、受ける場を意味するのではなく、大人の修めるべき教養(四書五経の大学の意義)ですから、もっと高度な研究を包摂できる概念です。
このコラムの冒頭に書きましたが、文部省の前身は「大学」だったのですから「大学」に戻せば、研究・実験部門も包摂できるでしょう。
でも、今では、大学は文部省管轄の一部門程度に考えられているのですから、いまさら昔の事を持ち出しても「大学」では、誰も納得しないのでしょう。
そうは言っても、いまさら科学技術も扱うからといって、文部科学省などと単純足し算的な改名は、教養のなさを暴露するようで恥ずかしくないのでしょうか?
有難そうな市町村名があって、由来を調べてみると、「いやあ、30年程前に町村合併でお互いの頭の漢字を組み合わせて新しい市町村名にしただけですよ。」と言われてがっかりすることがよくあります。
今回の省庁大合併も、何事も安直で、揉め事が少ないからという、理念も何もない低級政治家的発想で、役所名を決めたような気がします。
そう言えば、国土交通省なんかもひどいですね。
国土庁と運輸省の合併ですが、もう少し、まともな名称を思いつかないものですかね。
千葉市の政策を見ていますと、幕張新都心を成功させるための予算をつぎ込むかと思うと、旧市街をバックにする市議に気を使って、旧市街の活性化とか言って従来とおりの予算をつけたりして、全くメリハリがないのです。
人口は有限ですから、両方の商店街が成り立つわけがないのです。
個人で考えれば、自宅を新築すれば、古い家は壊すとか売り飛ばすのが普通です。
どちらにも、いい顔をしようとするのでは、政治家とは言えないどころか一人前の人間とも言えないでしょう。
政治家に限らず、一人前の人間は、自己の信念で決断をすれば、一方は切り捨てねばならないはずです。
信念などという大げさなものでなくとも、人はいつも何かを選択して、どちらかを切り捨てているのです。
カレーもラーメンも、すしも中華料理も一度に食べることは出来ませんし、あれもこれもと言うのは、幼児の駄々みたいな発想です。
それをしないで来られたのは、これまで高度成長だったので、増加する一方の税収をばら撒いていれば良かったからですが、これからはそうはいきません。
日本中の政治家が、およそ40年以上にわたって幼稚園の子供みたいな要求をしていれば、実現してきたので、いまだにそうした発想のおかしさに気づかないだけです。
ここで私が言いたいのは、町村合併に始まって単純に足していく発想の貧しさの由来ですが、話が脱線し過ぎますので話を元に戻しましょう。
「大学規則」とともに「中小学規則」が別に制定されていたことは、前回のコラムで紹介しました。
こうして、民部官(省)の進める郷学校と、「大学」が進める学校を総合する制度構想がないまま別々に進んでいたのですが、文部省の創設により、初めて全国規模における公的な教育制度の立案が可能になったと言われています。
次から、文部省が系統的にやってきた施策を見て行きましょう。
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