09/19/03
日本国憲法下の総理大臣5(憲法32)「新しい酒は新しい皮衣に5」
今度は、大臣と言う名称についても考えてみましょう。
明治憲法下では、国務大臣は、天皇の臣(大臣はぴったりの呼称です。)として、過ちがあれば、天皇に対して責任を負えばよかったのです。
総理と言う呼称にこだわるのは、主権者たる国民に対する政治責任よりも、天皇に対する理事者としての(管理)責任を優先させようとする思想が背後にあると言えるでしょう。
ここで、明治憲法を紹介してきましょう。
大日本帝国憲法
第一章 天皇
第一条
大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス
「万世一系の天皇」とは大きく出たものです。
ケイタイ天皇のときに一回断絶しているといわれていますし、その他にも結構断絶があったようですから、万世一系というのは一種の神話みたいなものでしょう。
神話といえば、古色蒼然とした、憲法前文を紹介しておきましょうか?
めったに見るものではないでしょうから、古文体に関心のある人には、結構美文調?で古式ゆかしく、面白い文章ですよ。
告文
皇朕レ謹ミ畏ミ
皇祖
皇宗ノ神霊ニ誥ケ白サク皇朕レ天壌無窮ノ宏謨ニ循ヒ惟神ノ宝祚ヲ継承シ旧図ヲ保持シテ敢テ失墜スルコト無シ顧ミルニ世局ノ進運ニ膺リ人文ノ発達ニ随ヒ宜ク
皇祖
皇宗ノ遺訓ヲ明徴ニシ典憲ヲ成立シ条章ヲ昭示シ内ハ以テ子孫ノ率由スル所ト為シ外ハ以テ臣民翼賛ノ道ヲ広メ永遠ニ遵行セシメ益々国家ノ丕基ヲ鞏固ニシ八洲民生ノ慶福ヲ増進スヘシ茲ニ皇室典範及憲法ヲ制定ス惟フニ此レ皆
皇祖
皇宗ノ後裔ニ貽シタマヘル統治ノ洪範ヲ紹述スルニ外ナラス而シテ朕カ躬ニ逮テ時ト倶ニ挙行スルコトヲ得ルハ洵ニ
皇祖
皇宗及我カ
皇考ノ威霊ニ倚藉スルニ由ラサルハ無シ皇朕レ仰テ
皇祖 皇宗及
皇考ノ神祐ヲ祷リ併セテ朕カ現在及将来ニ臣民ニ率先シ此ノ憲章ヲ履行シテ愆ラサラムコトヲ誓フ庶幾クハ
神霊此レヲ鑒ミタマヘ
まず、「皇祖 皇宗ノ神霊ニ誥ケ白サク」と、祖霊でなく神霊になっているので、祖先は神様であることを強調したのでしょうね。
「白サク」などと言われると、結婚式での神主さんの祝詞を、思い起こす人が多いのではないでしょうか?
次に皇朕レ「天壌無窮ノ宏謨ニ循ヒ惟神ノ宝祚ヲ継承シ」として、自分は、この全能の神(多分西洋のデウスをイメージしたのではないでしょうか?)の正当な継承者を主張した上で、これまで、旧図を保持し、時局の進運に遅れないで、さらに国民の道しるべとしての憲法を発布するのは、ひとえに、皇祖、皇霊
皇宗及我カ 皇考ノ威霊ニ倚藉スルニ由ラサルハ無いと言う、神がかりそのものです。
最後に、「庶幾クハ (こい願わくば)神霊此レヲ鑒ミタマヘ」 で終わっているのですから、「これから近代国家の仲間入りをするぞ」と言う看板(ホームページのカバーみたいなもの)としては、何かちぐはぐなものでした。
そうは言っても、憲法発布する以上は、天皇の権威の由来を書かねばならないのですから、苦心の作とも言えるでしょう。
以上は、いつものとおり、私独自の思いつき解釈ですので、念のため
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