09/18/03

日本国憲法下の総理 4(憲法31) 「新しい酒は新しい皮衣に4」

ところで、アメリカの大統領を現す、A presidentと言う言葉は、会社の代表取締役という意味でもあるのはご招知のとおりです。
私はこれまで、大統領と社長が同じ発言で言いあらわされるなんて、随分安直だな、と思っていました。
でも、代表者か否かという意味で考え直してみますと、社長と大統領が同じと言うのは、国民代表の本質が正確に表現されていますね。
これを、大統領などと翻訳したのでは、国民の代表に力点がなく、統治者と言う点に力点がおかれていて、正確ではないどころか積極的な誤り・すり替えではないかと、私は思います。
多分「国民代表」などと言う概念のひろがりを、懸念した明治時代の御用学者が、考え出したものでしょう。
ヒットラーを、大統領または総統と翻訳するのは、内容実質があっていますよ。
でも、アメリカのプレジデントは、統治者というより、代表していることに意味があるのです。戦後は、学問の自由があると言われていますが、いまだに明治時代のままの翻訳語を使用する、学者マスコミの神経が疑われるところです。
話を日本の憲法に戻しますと、漢字の意味、あるいは歴史経過から見ても、日本国憲法下では、理事の親分程度の意味でしかない「総理」と言う呼称を残したのは、国民主権の理念と矛盾します。
これまで見てきましたように、理事と言うのは、基本的に上位の任命権者を予定しているのですが、日本国憲法下の総理大臣は、国会で選出されるのであって、天皇の任命権は、形式的なものでしかありません。
憲法を見ましょう。

第六十五条【行政権と内閣】
行政権は、内閣に属する。
第六十六条【内閣の組織】

  1. 内閣は、法律)定めるところにより、その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する。
  2. 内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。
  3. 内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。

第六十七条【内閣総理大臣の指名、衆議院の優越】

  1. 内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。この指名は、他のすべての案件に先だつて、これを行ふ。
  2. 衆議院と参議院とが異なつた指名の議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は衆議院が指名の議決をした後、国会休会中の期間を除いて十日以内に、参議院が、指名の議決をしないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。 」

憲法66条3項に明らかなように内閣は、国民の代表である国会に対して、連帯して責任を負うのであって、明治憲法のように、天皇に対して責任を負うのではありません。
また、67条によって国会の指名によって選出されることは、今では誰でも知っていることでしょう。
以上見てきたように、日本国憲法下での総理大臣は、「理」の総代ではなく、国民の総代表者ですから、もっと別の名称にすべきだと思います。




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