09/11/03
社長(大将)が何故好まれるか?(商法23)
社員と言うのは、会社を興した人または、出資持分や株式を譲り受けた人のことであって、従業員でないことは、これまでのコラムで書いてきました。
現在では、会社で働いている人と言う意味で、従業員を社員と言っているのですから、見る角度が違うだけで誤りとも言えません。
一部分意味が似通った使い方と言う意味では、9月4日のコラムで紹介した言葉のインフレ・便乗の一種でしょう
言葉のインフレの結果、今では、本当の豪邸・例えば1000坪以上の屋敷の持ち主が、自分の家をマンションとは思わないのと同様に、会社のオーナーが自分のことを社員だとは、思わなくなってしまいました。
会社の従業員も、株主が社員だと言われると、「社員の職場を守るために・・・・」というスローガンの意味が分からなくなってくるでしょうね。
頭取は、取締りの「かしら」という意味ですから、次に述べる理事のかしらとしての総理とほとんど意味が一緒でしょう。
わが国で、代表取締役(オーナーから取締りを、任された人の代表)という呼称が定着せず、社長(関西では大将)と言う呼称が好まれるのは、何故でしょう?
オーナー兼社長である会社は、勿論のこと、社長がオーナーでないときでも、大企業では、オーナーらしいオーナーが殆どいませんので、社長は絶対者として会社を私物のようにして君臨しているのが普通です。
ここ10年ほどは、業績の悪化で、株主権の行使が、問題になって来ましたが、高度成長期には殆どの株主が 株主権の行使をしなかったことに原因があるのでしょう。
商法では、個人事業の場合、番頭的な人を支配人とし、株式会社、有限会社では取締りと言い、オーナーが経営を兼ねる合資会社、合名会社では、取締役を置いていません。
代表社員、業務執行社員と言うだけです。
商法
第百五十一条 各無限責任社員ハ定款ニ別段ノ定ナキトキハ会社ノ業務ヲ執行スル権利ヲ有シ義務ヲ負フ
- 無限責任社員数人アルトキハ会社ノ業務執行ハ其ノ過半数ヲ以テ之ヲ決ス」
このように取締役と言うのは、オーナーとは別人を予定しているのですから、番頭さんの会社版であることが明白です。
それに比べて、社長と言う語感は気持ちがいいでしょうね。
如何にも会社内のトップと言う感じですし、法的な意味の社員のトップ兼従業員のトップを兼ね備えた感じもしますしね。
みんなが愛用するわけです。
社長が君臨している実情から考えると、江戸時代の番頭さんまたは、商法の支配人のイメージが残る「取り締まり」などと言う名称は、使いたくない気持ちがわかりますね。
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