09/05/03

理事、管理について2(文明開化と言葉のインフレ)

今でも、合理的とか、あの人の考えは論理的だなどと言われると、文明開化の匂いがして、こちらは、迷妄な時代遅れの考えのように、気後れしがちです。
こうして小学校の理科に始まって、何でもかんでも、「理」が幅を聞かす社会になりました。
社会経済的な分野では、お上の任命にかかる理事とまでは行かなくとも、小さな借家の差配などに至るまで、少しでも任せる場合、みんな管理人と言う名称に変わりました。
お上が任命する理事や、本当の理論家は、滅多にいませんが、管理人や、へ理屈などは、幾らでも量産可能ですから、世の中で、普通に目にする「理」の漢字(印象)は、管理人の「理」、へ理屈の「理」が中心となってきました。
庶民が、「偉そうだ」とか「ハイカラだ」からとまねして使っても、末端であればある程、裁量権が小さくなる理屈ですから、一般に通用する「理」の意味は、裁量権が小さくなる一方で、堅苦しく(矮小化する)なる一方です。
理屈っぽいと言う非難の仕方がありますが、その場合の「理」には、幅がないことを前提とした言い回しでしょう。
現在普通に使われている管理人は、その極限状態と言うところで、オーナ−が別に存在していて、オーナーの為に管理する意味が濃厚であって、自由な裁量や処分権が認められません。
では、現在の管理の意味は何だと言われると、これがけっこう難しいのです。
管理行為の隣にあるのが、保存行為と処分行為と言うものですが、この区別は、けっこう難しいので、共有物の管理や保佐のところで、判例など紹介しながら、別に説明しましょう。
ただし、不在者の管理人の条文は「08/02/03 相続財産の管理(民法96)」のコラムで紹介しましたので、関心のある方は見ておいて下さい。
話しがさらに遠くへ行きますが、みなさんは、大型倒産の報道などで、破産管財人、更生管財人等の単語をお聞きになったことがると思います。
これらは、語感からして、財産管理人の省略語と思われている方が多いと思いますが、各種管財人の権限は、単なる管理人とは、比較にならない程大きいのです。
管財人は、重要な事柄については裁判所と協議したり、債権者集会の決議が必要ですが、代表取締役に近い権限があります。
ただ、団体構成員による選任でなく、お上による選任と言う意味で、「理」を使うならば、理事長に近い権限ですから、今の言葉で言えば、理財人と言うべきかも知れません。




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