09/02/03

理(おさめる)とは?(民法103)

同じ「おさめる」と言う漢字でも、「治める」のは治山治水から発達した言葉ですから、中国の伝説の帝王(3皇5帝)が、天命に従って治水に励んだように自由裁量の範囲が広いのです。
これに対し、理の方は、上位者によってあるべき姿が措定されていて、そのように管理する意味が強そうです。
その意味では、前回のコラムで紹介した理髪師に対しても、自由なセンスを求めず、あるべき髪形に整える「調髪」の域を越えないのでしょう。
新しいセンスを求める人は、美容院へ行きます。(カリスマ美容師はいても、カリスマ理髪師は聞きません)
団体の代表者には理事と言うものがあります。
また民法を見ましょう。

民法
第2節 法人ノ管理

第52条 法人ニハ1人又ハ数人ノ理事ヲ置クコトヲ要ス

  1. 理事数人アル場合ニ於テ定款又ハ寄附行為ニ別段ノ定ナキトキハ法人ノ事務ハ理事ノ過半数ヲ以テ之ヲ決ス

第53条 理事ハ総テ法人ノ事務ニ付キ法人ヲ代表ス 但定款ノ規定又ハ寄附行為ノ趣旨ニ違反スルコトヲ得ス 又社団法人ニ在リテハ総会ノ決議ニ従フコトヲ要ス

第54条 理事ノ代理権ニ加ヘタル制限ハ之ヲ以テ善意ノ第三者ニ対抗スルコトヲ得ス

第55条 理事ハ定款、寄附行為又ハ総会ノ決議ニ依リテ禁止セラレサルトキニ限リ特定ノ行為ノ代理ヲ他人ニ委任スルコトヲ得

第56条 理事ノ欠ケタル場合ニ於テ遅滞ノ為メ損害ヲ生スル虞アルトキハ裁判所ハ利害関係人又ハ検察官ノ請求ニ因リ仮理事ヲ選任ス

第57条 法人ト理事トノ利益相反スル事項ニ付テハ理事ハ代理権ヲ有セス 此場合ニ於テハ前条ノ規定ニ依リテ特別代理人ヲ選任スルコトヲ要ス」

このように民法の法人の代表者は、代表取締役ではなく、「理事」と民法53条で決められています。
何故会社などのように、代表取締役と言わないのでしょうか?
他にも世上、役員が理事または理事会で構成される組織があります。
特別法で設立される、特殊法人、例えば住宅金融公庫などと、都道府県や市町村などの外郭団体○○公社などに多く見かけますね。
古くは学校法人、今流行の福祉法人などもそうです。
民法の法人は、公益法人であって、設立するには、主務官庁の認可が必要です。
民法を、もう一度見ましょう。

民法

第2章 法 人

第1節 法人ノ設立

第33条 法人ハ本法其他ノ法律ノ規定ニ依ルニ非サレハ成立スルコトヲ得ス
 
第34条 祭祀、宗教、慈善、学術、技芸其他公益ニ関スル社団又ハ財団ニシテ営利ヲ目的トセサルモノハ主務官庁ノ許可ヲ得テ之ヲ法人ト為スコトヲ得

第34条ノ2 社団法人又ハ財団法人ニ非ザルモノハ其名称中ニ社団法人若クハ財団法人ナル文字又ハ此等ト誤認セシムベキ文字ヲ使用スルコトヲ得ズ

第35条 営利ヲ目的トスル社団ハ商事会社設立ノ条件ニ従ヒ之ヲ法人ト為スコトヲ得

  1. 前項ノ社団法人ニハ総テ商事会社ニ関スル規定ヲ準用ス

第36条 外国法人ハ国、国ノ行政区画及ヒ商事会社ヲ除ク外其成立ヲ認許セス 但法律又ハ条約ニ依リテ認許セラレタルモノハ此限ニ在ラス

  1. 前項ノ規定ニ依リテ認許セラレタル外国法人ハ日本ニ成立スル同種ノ者ト同一ノ私権ヲ有ス 但外国人カ享有スルコトヲ得サル権利及ヒ法律又ハ条約中ニ特別ノ規定アルモノハ此限ニ在ラス

第37条 社団法人ノ設立者ハ定款ヲ作リ之ニ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス

  1. 目的
  2. 名称
  3. 事務所
  4. 資産ニ関スル規定
  5. 理事ノ任免ニ関スル規定
  6. 社員タル資格ノ得喪ニ関スル規定

第38条 社団法人ノ定款ハ総社員ノ4分ノ3以上ノ同意アルトキニ限リ之ヲ変更スルコトヲ得 但定款ニ別段ノ定アルトキハ此限ニ在ラス

  1. 定款ノ変更ハ主務官庁ノ認可ヲ受クルニ非サレハ其効力ヲ生セス」

民法33条で、法律に従って設立しなければ、法人とは認められない大原則が書かれています。
法人の本質と言えるでしょう。
法人については、「11/04/02人の種類 1」以下の連載コラムで紹介しましたので、併せてお読みください。 
次の民法34条では、公益法人は、主務官庁の許可があってはじめて設立できる原則の宣言です。
ところで、余談ですが営利目的の法人は、商事会社と言って35条で一定の準則に合致すれば許認可ナシに作れるのに(もっときついことを言えば暴力団や、窃盗集団は、何の許可もなしに作っていますよ!もっとも窃盗集団などが公認されても困りますけどね)、世のため、人のために何かをしようとすると、役所の許可がいるなんて不思議なものだと思いませんか?
世の中のためになることは、政府がやるのだから、民くさは、泥棒とか金儲けだけしてればいいという思想ですかね?
政府(役人)にとっては、今流行の NGO, NPOなどは目の上のこぶと言うところかも知れません。
外務省が、無視しようとして鈴木宗雄さんと組んでいたのが、時代錯誤だったのでしょう。




関連ページリンク

Powered by msearch
稲垣法律事務所:コラム:検索

検索ベースはこちらから

稲垣法律事務所コラム内:代表に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:代理に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:会社に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:民法に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:商法に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:役人,官僚に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:役所に関するコラム


コラムTOP

リンクを当コラムにはられる方はお読み下さい

©2002, 2003, 2004, 2005, 2006, 2007, 2008 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design / Maintained by Pear Computing LLC



ブログ
株式投資