09/25/02
住所 5(不在者)
ここ連日、マスコミを賑わしている言葉に失踪したと言うのがあります。
北朝鮮に拉致された疑いのある人の事ですが、失踪とは、どう言う事でしょうか?
失踪と言うのは簡単に言えば、行方不明と言う事でしょう。
でも、行方不明になった当の本人からしてみれば、自分の居場所は自分で知っているのですから、行方不明ではありません。
もしかしたら家迄買って立派に生活しているかも知れないのです。
今回の被害者の中にも、結婚していると言われている人も居ましたから、理解出来ると思います。
こうして考えてみると、『行方不明』と日常使っている言葉は、『誰にとって』かがポイントだと言う事がお判りいただけるでしょう。
そこで民法では、その規準を定める為に、先ず『不在者』に付いて、次のように定めています。
『従来の住所、居所を去るりたる者、その管理人を置かざりしときは、・・・・』として、『不在者』と言う概念を設定しております。
要するに、『不在者』とは、従来の住所・居所を去った人で、管理人を置かない人の事ですが、通信手段の発達した今日では、単に千葉の人が大阪へ行ってると言うだけでは、裁判所が不在者の管理人迄選任する必要がないので、実務上は、音信不通になった場合にこの制度が利用されています。
このコラムで皆さんに注意して頂きたいのは、『従来の』住所・居所を規準に考えると言う事です。
大阪に行ったまま蒸発している人も、その本人を規準にすると、蒸発者でも何でもありません。
従来の住所・居所を規準にすれば行方不明と言う事になるのです。
©2002,
2003, 2004, 2005, 2006, 2007, 2008 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design
/ Maintained by Pear Computing LLC
