09/23/02
住所とは? 3(住所決定の規準)
前回迄のコラムで、届け出と言うものは、報告的届け出が原則である事がわかりました。
そうして、住所移転の届け出は、報告的届け出になりますので、届け出の有無に関わらず事実としての移転のあった時に住所移転の効力が生ずる事になります。
『コラム住所1』の人は、住民票の記載の有無は住所移転の結果であって、住所を決めるものではないと言う説明に納得しましたが、『私は、最初のころ週に1〜2回帰っていて、その内1〜2ヶ月に一回となり、親が死んでからも時々帰っていました。全く行かなくなったのは、この2〜3年ですが、何時住所が変わった事になるのですか?』と質問して来ました。
運送屋さんに頼んで引っ越しするような時は簡単ですが、こういう具合に、徐々に重心が移って行った時には、役所への届けるタイミングを逸し易いばかりか、自分でもわからなくなり勝ちです。(週末に郊外の別荘で過ごしている人が、リタイヤー後次第に別荘に住み着いてしまう場合もあるでしょう。)
その人は、『そもそも住所って何ですか?自分できめるしかないのですか?』とまで言い始めました。
住所という言葉の意味は、まあ、『住んでいるところ』という意味である事は辞書をひく迄もないでしょう。
これでは堂々めぐりになってしまいますが、幸いな事に、こうした重要な事は民法(21条)に『各人の生活の本拠を以てその住所とす』と、ちゃんと規定があるのです。
この条文によって、何時から生活の本拠が都心のマンションに移ったかによって住所移転時期が決まるのです。
1週間のうち3〜4回づつ行ったり来たりしているような場合、当事者の気持ちが大きなウエイトを占める事もありますが、当事者が決めた時が移転時期になるというものではありません。
これに対して、『やはり、私が何時本拠にしょうときめる事によって変わるんじゃないですか?だから私が自由に住所移転時期を決められるんじゃないですか?』と食い下がって来ます。
一見似ていますが、それは違うのです。
引っ越す時期や、生活の重心を動かす時期は、当事者の自由意思で決められますが、自由に動いた後に、どの時点で生活の本拠が移動したかという事は、生活状況を観察して、客観的(客観的認定の為には、前記のとおり、当事者の主観も参考になります)に決まる事であって、あらそいがあれば裁判で決着をつける事になるのです。
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