09/19/02
離婚と慰藉料(解決金) 4
最近の離婚事件は、どちらが悪いと言うのではなく、性格の不一致と言う理由で別れる事が多くなっています。
こうした場合、財産分与の他に女性の方から、慰藉料が請求出来ないのかと言う質問を受ける事があります。
慰藉料と言う国語的意味は前記の通り、単に金で解決すると言う意味ですから、間違いではないのですが、法律で定めている慰藉料は、本来不法行為に対する損害賠償の方法として、金で解決しなさいというものです。
従って、どちらが悪いと言うのでなく、単に一緒にいるのがいやになったから別れるという場合、どちらも不法行為をしていないのですから、(不貞行為や暴力がない)法律で言う慰藉料を払う義務が発生しない事になります。
結局この場合の女性の気持ちは、『財産分与としてもらうものは殆どないが、ともかく一旦結婚した以上は、離婚によるダメージは女性の方が大きいのだから、それなりの解決金を欲しい』と言う意味だと思います。
将来の生活保障と言い換える事が出来るかも知れません。
どちらが悪いと言うのでなくとも、一旦終生の愛を誓った以上は、破綻したとしても、他方のその後の生活に思いをいたすべきだと言う事かと思います。
現在はあまり見かけませんが、物語に出てくるお妾さんと別れる時に、一生涯生活出来るだけ渡してやると言うのは、そうした考えに基づいているのでしょう。
前回のコラムで書いたように、熟年離婚の場合は、女性は大抵、息子や娘と同居したりして、老後が保障されている事が多いので、女性から男性に対して、解決金を払うと言う時代が来るかも知れませんね?
私が扱った熟年離婚事件では、100%娘。または、息子と女性が同居する結果となっています。
その後年月を経て男性は、アパートで独り死んでいるのがわかって、子供達が、おやじが独りでどう言う借金をしているか判らないから、相続放棄をしたいと言うので、限定承認手続きをして、終わりました。
別の事件では、離婚後2〜3年で『癌になって入院した。』という、連絡が職場から、私にあったので、私は取りあえず病院へ見舞いに行って、母親と同居している娘さんに連絡して、病院に行ってもらった事がありました。
男は独りになると直ぐ、わびしく死んでしまうようです。
『あわれ秋風よ 情(こころ)あらば伝えてよ 男ありて ひとり夕餉に向ひて秋刀魚(さんま)を食らいて 思いにふける と・・・・』と男独りの侘びしさを歌った佐藤春夫の有名な詩が、しみじみと思い出される時代(歳とったら歳とったなりに。)となりました。今の時代でしたら、『秋刀魚』と言うよりか『カップラーメン』という感じでしょうか?(もっともこの詩は、佐藤春夫が、谷崎潤一郎の奥さんとの事を歌ったもので老人の詩ではありません。まさかこいう場面で引用されるとは作家どころか日本中の誰も予想しない所かも知れませんが、こういう風に奇想天外な廃品(?)利用、もしくは狂歌的なのが、私の特徴ですのでアシカラズ。おつき合い下さい。)
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