09/09/02

因果関係 3(相当因果関係2)

前回迄のコラムで相当因果関係の範囲しか責任を負わない事を説明しましたが、相当因果関係の認定は結構難しいものです。
物損交通事故の場合、クーラーがついているのが、一般的でなかった時には、加害者がクーラーの修理義務迄負わなくてよいと言う結果になりますが、クーラーが一般的になってくると、相当因果関係の範囲内の事として、損害賠償責任が生じて来ます。
現在ではカーナビシステムも賠償の対象になると言っても良いかもしれません。
このように因果関係と言っても、時系列的範囲にとどまらず、同時的に存在する横の広がりについても予測可能性の限度として、作用する事になります。
交通事故の場合、時速10キロ程のスピードで接触した場合、普通の人なら軽い怪我程度であったが、被害者が90代の老人であった為、転んでしまって骨折し、入院したら寝込んでしまって、肺炎になってそのまま死んでしまったりすると、加害者にはどこ迄の責任があるのでしょうか?
具体的な事件は、自宅の車庫から車を出そうとしている時に、通りかかった老人の自転車と接触したと言うものです。
病院の診療ミスがあった訳ではありません。
『何が普通か』と言う難しい問題です。
普通の人だったらこんな結果にならなかったと言う人も居ます。
しかし老人は普通の人ではないのですか?と聞かれると答えに窮しますね。
人と言うのは、いろんな年齢構成から出来上がっていて、赤ちゃんも、学生も女性も中高年もみ−んな普通の人の一部と言えるでしょう。
車を公道に乗り出す以上は、『信号の意味のわからない幼児が飛び出したり、本来避けてくれる筈なのに、避けきれず倒れてしまう老人も自転車に乗ってる事があるのは、予測すべき範囲内』と言う事になるように思います。
事故が起きた事迄の責任は、負うべきだという事が、この説明でお分かり戴けたと思いますが、死亡の責任はどうでしょう?




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