09/08/02
因果関係とは? 2 (相当因果関係)
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前回のコラムで書いたように、無限の連鎖関係を法律の世界で認めると近代法の 基本的要請である法的安定性が害されます。(権力者が、都合の良いように因果の連鎖の中から、関係者をピックアップして捕まえる事が出来るようになってしまいます。)
また民事の損害賠償責任も、自分のした事よりもその後の思いがけない進行に損害額の増減ががゆだねられる事になると、全く予測のつかない事になってしまいます。
これでは、『何をしたらどう言う責任がある』と言う事が事前にわからなくて、安心して経済活動をする事が出来ません。
自分は、車に乗らないから交通事故に関係ないと思うかも知れませんが、交通事故のような不法行為に限らず、一般の契約(約束事)で、契約(約束)違反をした場合、その違反の結果問われる損害賠償責任についても同様です。
たとえば、『出発日の何日前にキャンセルしたらいくらペナル イを取られる』かがわからないと、ここでキャンセルするかどうかの決断をし難いものです。
お魚を売った場合に、お魚が古くて食あたりをしたとしましょう。そこで、救急車をよんで救急車で走っている途中、飛び出して来た車に救急車がぶっつけられて、うち所が悪くて死んでしまったとした場合、魚屋さんが交通事故に因る損害賠償責任を追及されるのでしょうか?
こうした問題を解決する為に、法律の世界では、責任の及ぶ因果関係の範囲について議論がされて来たのです。
現在では、相当因果関係説と言って行為と相当な範囲内の因果関係のある結果についてのみ責任を認めると言う考え方が、通説・判例と言われています。(コラム交通事故3で『相当因果関係の範囲で』と言う言葉を書いたので、今回別に解説しょうと、お思い付いた次第です。)
相当な因果関係だけ認めると言っても、これまた難しい問題ですね。主観説・客観説・折衷説などがあると言われていますが、このコラムは、専門家の為の物ではないので、常識的に考えて、戴ければ良いと言う事だけ説明して終わりにしたいと思います。
魚の例では、交通事故については責任がないと言う事ですし、交通事故の例では、治療ミスに迄加害者は責任を負わないと言う事になります。
また、刑事の学説でも相当因果関係説が通説・判例と言われていますので、子供が悪い事をしても、親であると言うだけで逮捕される事はありません。
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