09/05/02

交通事故の損害額について6 (刑事事件と示談 1)

私は、被害者が過大な請求をしているから示談出来ないとは言わず、そのうち被害者が弁護士を頼んで適正な補償を獲得する事を期待したのです。
裁判所は、加害者の会社の人と同じように、大手保険会社が不当な金額を提示する筈がないから、示談に応じない被害者が悪いのだと誤解したのか、あるいは、私が期待したように、『被害者は、納得しなければ、弁護士を頼んで、或いは法的手続きを利用しさえすれば、法的に妥当な賠償金が定まり、その時には、無制限の保険に加入している以上は、必ず被害者は、満額の補償を得られるはずである』と言う判断に基づいたのかはわかりませんが、結果は、執行猶予判決でした。
もし、後者の理由に基づく場合、最終的に被害者が満足出来るとしても、少しでも安くする為に不当に低い金額を提示している場合でも容認する事になってしまいます。
このように『最終的な支払い能力さえ保証されれば、(無制限の保険に加入しているから)その提案額の当不当を問う必要がない』と言う論理を前提にすれば、保険加入の有無に関わらず、加害者に資力さえあれば、幾ら、不当な提案を繰り返して、引き延ばしをしていても、示談しなくても良いと言う論理になってしまいます。(支払いは、先に伸ばしたいものです)、
やはり、示談未成立の場合、保険加入の有無を規準とするのではなく、加害者が、誠意ある妥当な提案をしているかどうかを、刑事裁判でも吟味する必要があるでしょう。(刑事裁判官も、当然の事ながら、民事の規準を理解している事が必要です。)
刑事裁判は、被害弁償と言う民事事件の解決を目的とするものではありませんが、刑罰の目的の一つに、被害の存在が、重要な要素になっている事は、学問的にも争いがない所ですし、実務の運用でも、被害回復の有無は、重視されている所です。
従って、刑事事件の被害者が、加害者から、ああでもないこうでもないと言われて、弁護士を頼まねばならない程、困らされている場合は、被害回復に向けての誠意がないものと評価すべきだと思います。




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