08/26/07
有因主義と消滅時効(民法231)
ついでに偽造された被害者の追及権が時効消滅しないのかについて、疑問に思う方がいるでしょう。
ここで問題にしているのは、元々の所有権移転行為は無効な場合の話ですから、被害者は被害に遭ってから何十年たっても、その土地の所有権者のままです。
ですから、所有権に基づく移転登記抹消請求権は永久に存続するというか、毎日、日々発生している権利なのです。
みなさんの自宅の所有権は、購入後20年でも100年しても、時効消滅してしまうものではないといえば、分かりよいでしょうか?
そして購入後30年目でも40年目でも、これを侵害する者があれば、その時々に所有権に基づいて、妨害排除請求できる権能が日々発生しているのです。
所有権自体は、万能・絶対性を前提にしているので、妨害排除請求権などの具体的明文の規定はないのですが、占有権には規定があるので、それ以上の権能だと思えば、良いでしょう。
ですから、所有権に基づく各種権能は、時効消滅を観念できないのです。
そこで、第三取得者=占有者が時効取得してしまえば、反射的に元所有者が所有権者ではなくなるという効果を待つしかないのです。
民法
(所有権の内容)
第206条 所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。
(占有の訴え)
第197条 占有者は、次条から第202条までの規定に従い、占有の訴えを提起することができる。他人のために占有をする者も、同様とする。
(占有保持の訴え)
第198条 占有者がその占有を妨害されたときは、占有保持の訴えにより、その妨害の停止及び損害の賠償を請求することができる。
(占有保全の訴え)
第199条 占有者がその占有を妨害されるおそれがあるときは、占有保全の訴えにより、その妨害の予防又は損害賠償の担保を請求することができる。
(占有回収の訴え)
第200条 占有者がその占有を奪われたときは、占有回収の訴えにより、その物の返還及び損害の賠償を請求することができる。
2 占有回収の訴えは、占有を侵奪した者の特定承継人に対して提起することができない。ただし、その承継人が侵奪の事実を知っていたときは、この限りでない。
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