08/25/07
取り消しの効果4(民法229)未成年者等保護
たとえば、未成年者がお金を借りたりパソコンを買っていて、これに気づいた親が契約を取り消したら、買ったパソコンや、借りたお金を返す代わりにお金の支払い義務は、消滅します。
「じゃあ、同じことじゃあないの!」と思うでしょうが、実は現存利益の限度で返せばいいから、借りたお金を使い切らないで残っているお金だけ、使い古した現状のパソコンやビデオを返せばいいのですから、大違いです。
子供が借りたお金で無駄遣いしてしまった場合、残っていないので返さなくともいいのです。
これが、前回紹介した現存利益の条文・未成年者保護規定の意味です。
その代わり未成年者の取引では、消費財が中心で大きな土地取引は滅多にないでしょうから、何十人も転々譲渡される社会的事件は起きないから、これでも間に合っているのでしょう。
(子供が土地を売るとしたら、買主が親と会いたいというのが普通でしょうから、子供から直接買ってしまった買主は、悪意者であることが普通です。)
たとえば、19歳の場合、外見だけでは成人未成年の区別がつきにくいのですが、土地取引に印鑑証明書が必要ですから、そこに生年月日が書いてあるので、容易に年齢が分かるのです。
ですから、未成年者だったと知らなかったは、通用しませんから、善意悪意を問わず保護しないとしても、不動産に関しては直接の当事者間では結果は殆ど同じでしょう。
しかし、転々譲渡されると4〜5番目の買主は、そんなことは分かりません。
買うときは、自分の直近の売主しか知らないのが普通です。
取消権は昔の準禁治産者・・現行の被保佐者の保佐人にもありますが、考え方は同じです。
保佐開始の審判)
第11条 精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、保佐開始の審判をすることができる。
ただし、第7条に規定する原因がある者については、この限りでない。
(保佐人の同意を要する行為等)
第13条 被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。ただし、第9条ただし書に規定する行為については、この限りでない。
1.元本を領収し、又は利用すること。
2.借財又は保証をすること。
3.不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。
4.訴訟行為をすること。
5.贈与、和解又は仲裁合意(仲裁法(平成15年法律第138号)第2条第1項に規定する仲裁合意をいう。)をすること。
6.相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。
7.贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。
8.新築、改築、増築又は大修繕をすること。
9.第602条に定める期間を超える賃貸借をすること。
2 家庭裁判所は、第11条本文に規定する者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求により、被保佐人が前項各号に掲げる行為以外の行為をする場合であってもその保佐人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。ただし、第9条ただし書に規定する行為については、この限りでない。
3 保佐人の同意を得なければならない行為について、保佐人が被保佐人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被保佐人の請求により、保佐人の同意に代わる許可を与えることができる。
4 保佐人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。
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