08/24/07
未成年者等の取消権1(民法225)
前回まで見てきたように、契約解除や離婚は、言わば、契約(婚姻)当事者間の公平性の確保のための制度ですが、取り消しは、相手の落ち度や契約違反がなくとも、取消権者の都合だけで、一方的に契約の効力を遡及的に消滅させられる強力な権利です。
当事者一方の都合だけで、契約解消権を行使できるという意味では、贈与の取消し権も共通するところがあるので、旧条文では「取り消し」と書いていたのかもしれません。ここで、未成年者取消権と詐欺・強迫の取消権および取り消しの効力について、ちょっと紹介しておきましょう。
未成年者取消権も詐欺・強迫の取消権も、それぞれの表意者保護を基本にしたものですが、取引当事者の保護・取引の安全との兼ね合いを考えながらも、未年者保護・被害者保護のために認められている制度です。
ですから、未成年者が「自分は未成年者でない」などと詐術を用いた場合は、取り消しが出来ません。(21条)
また詐欺・強迫による取り消しは、善意の第三者には対抗できません。
騙されたかどうか、あるいは強迫されたかどうかは別として「物を売る」とか「買う」などの意思表示自体に錯誤も何もないのです。
意思表示するについて瑕疵があるとは言え、一応意思表示した以上は、関係のない第三者に対しては、取消権を主張できない仕組みなのです。
民法
第2節 行為能力
(成年)
第4条 年齢20歳をもって、成年とする。
(未成年者の法律行為)
第5条 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
3 第1項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。
(制限行為能力者の詐術)
第21条 制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない。
(詐欺又は強迫)
第96条 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
2 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知っていたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
3 前2項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意の第三者に対抗することができない。
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