08/22/07

契約の法的効果(民法221)と離脱の方法

近代とは、個人の行動を縛るのは、身分や格式ではなく、個人の自由意思であり、自由な意思で約束した以上は、その約束の法的効果が、売春や奴隷拘束のように人道に反するものでない限り(公序良俗違反と言います)・・・国家の力で強制執行まで出来るように保障する社会と言うわけです。
(ちなみに、刑事制度でも意思能力のない状態の行為は不処罰です)

刑法
(心神喪失及び心神耗弱)
第39条 心神喪失者の行為は、罰しない。
2 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。

近代・・法治国家とは、身分社会の秩序に代わるべき契約法秩序社会の登場ですが、この強力な拘束力を生み出す順序として、まず意思(表示)能力の有無の問題、行為能力制度(未成年や被後見制度)の完備で、弱者の保護がはかられます。
意思表示能力をクリアーして、無事契約成立に運ぶ順に見ていくと、意思表示の合致の有無、意思の合致があって一旦合意=契約が成立するのです。
契約が成立しても、以下のようにいろんな場合に、契約の効力から離脱できる制度が保障されています。
その合意に対して法秩序から見て効力を認めるべきでないときの無効、(民法90条・・公序良俗違反)・・売春契約などだけでなく、これまで紹介している利息制限法違反の高利を払う約束などもそうです。
契約による効果を認めることには、国家として文句がないが、当事者の意思表示したときの事情によって、効力を認めるべきでない場合、・・一方当事者の意思表示に錯誤があった場合の無効制度があります。
意思表示には、錯誤はないが、騙されたなどの瑕疵がある場合の取り消し、成立段階には何の瑕疵もないが、契約成立後相手の不誠実な要素があれば、契約関係から離脱できる解除などの段階が、順番にが用意されています。
話が大げさになってきましたが、贈与で問題になっている取り消しとは、一旦成立した契約などの合意を、その一方が一方的に取り消して、効力を遡及的に消滅させることの出来る強力な行為です。
一方的で強力ですから、未成年者の取り消し権や詐欺や強迫にあった者の契約取り消し権など、特定の弱者保護の精神で規定されているのが原則で、法律で特に保護すべき場合として決まった事由を主張立証できる場合しか許されないのが、近代法の原則です。
(取消「権」というゆえんです。)



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