08/31/06

違警罪即決例6(裁判所法施行法)

裁判所法施行法(昭和22年法律第60号)
第一条(廃止する法律) 明治二十三年法律第百六号、大正二年法律第九号、昭和十年法律第三十号、昭和十三年法律第十一号及び違警罪即決例は、これを廃止する。

裁判所法施行令(昭和22年政令第24号)
第六条(違警罪即決例による処分) 裁判所法施行法施行前に違警罪即決例によりされた処分は、同法施行後もなおその効力を有する。
2 前項の処分に関する手続については、なお従前の例による。この場合には、正式の裁判の請求は、これを簡易裁判所にすべきものとし、警察署がすべき書類の送致は、これを区検察庁の検察官にすべきものとする。

奉行所は、刑事裁判所をイメージする物語が多いので、今では、裁判所の前身かと思う方が多いでしょう。
実際は江戸の市長のような仕事・行政から、幕閣の枢機にも関わり、或いは警察の役割、犯罪の予防・取り締まり・さらには行刑まで、ほとんど全般的な権限を持っていたのです。
これが明治政権になってから、行政方面では、東京市長が別に出来、司法関係では、裁判所も出来、警察も出来たり、警察と裁判の間に検察官も出来たりと分化して来たのです。
さらに後に紹介しますが行刑・・刑務所・・監獄関係も奉行所から分化して整備されていきます。
ですから、今では警察署長が処罰決定権(一種の判決)まであるというと、奇異な感じを受けますが、明治初年では、まだ上記のような職掌の分化以前でしたから、世間ではそんなに奇異に感じなかったのでしょう。
その後裁判所が整備され、検察その他法令も整備されたのですが、この違警罪即決権限が一種の既得権として、敗戦後上記の裁判所施行令で廃止されるまで続くのです。
そして、インフラの整備に連れて、権限が縮小されるどころか、逆にこれが一人歩きをして、思想弾圧に悪用されていたのでした。
役人と言うのは、本来の役割が終わりに近くなると組織維持の本能から、却って権限拡張的になる危険があるものです。
違警罪関係の法律の流れを見るために、刑法制定の歴史を次のコラムでざっと見ておきましょう。



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