08/24/06

裁判員制度8(1部無罪など争うと?)

裁判員法の条文(2条)のとおり、重大否認事件は当事者の希望に拘わらず、総て裁判員制度の対象事件となるのですが、3項で例外的に除外するにしても争いのない事件でなければなりません。
争っていると、除外を認められないので、半端な争いをしていると裁判員法廷に行ってしまうので、半端な争いはしない方が良いと言う弁護側に対する抑制を招く可能性があります。
例えば、裁判員法廷に行くと同じ事件でも平均して刑が2割重いとすれば、争ってみても必ずしも弁護側の意見がとおると限らないのですが、うまく主張が通って刑を1〜2割軽くしても、裁判員法廷では、もともとそのくらい相場が重いとすれば、何にもなりなせん。
そのまま認めて通常法廷で判決を貰った場合と結果が同じですし、もしかして弁護側の意見がとおらなければ、却って重くなってしまうリスクがあるのです。
事件を争っていると、保釈を認めない裁判所の運用について、11/05/04「保釈の実態1(人質司法は、みんなの問題!)」以下で紹介したことがありますが、これと同じことが法廷段階でも起きることでしょう。
しかも、認めた場合でも、被告人や弁護人の意見ではなく、裁判長の意見だけで、裁判員制度から除外できる仕組みです。
弁護人等は除外に異議を述べられるだけで、逆に除外してくれと言う申し立て権がない(建前)のです。
実際上は、弁護人が被告人が認めているのだからと、事実上裁判員制度での審理に難色を示し、裁判所が除外決定することになるのでしょうから、弁護人側に選択権があるアメリカの陪審制度と結果的には似たような運用になるのでしょうが、今書いているのは原則論です。
「運用で似た結果になるからいいでしょう」と言うのと、権利として認められているのとでは、大違いです。
この問題は共謀法の新設でも問題になっていますが、無茶な運用をしないから良いでしょうと言う政府の説明がとおるなら、世の中に法律と言うものが要りません。
それにしても争いのない事件だけですから、アメリカとは大違いです。
そのうえ、もしかしたら、「争っている以上は、この事件は裁判員法廷に行くしかないですね!」と脅かされる可能性も、出て来るでしょう。
(後に書きますが、・・実はそれなりに理由があるのですが、別に書きます・・・素人や若者の方が刑罰が重くなる傾向があるのです。)



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