08/22/06
公開の裁判を受ける権利4(憲法186)publiclyとは?
英語(和製?)でオープンにすると言う表現がありますが、要は、透明性の担保が目的であって、誰にでも見せる(近所の人が物珍しそうに見に来て良い)と言う意味ではないでしょう。
この機会に、憲法の日本語と英文を見ておきましょう。
憲法
第八十二条 裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ。
2 裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合には、対審は、公開しないでこれを行ふことができる。但し、政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法第三章で保障する国民の権利が問題となつてゐる事件の対審は、常にこれを公開しなければならない。
Article 82.
Trials shall be conducted and judgment declared publicly.
Where a court unanimously determines publicity to be dangerous to public order or morals, a trial may be conducted privately, but trials of political offenses, offenses involving the press or cases wherein the rights of people as guaranteed in Chapter III of this Constitution are in question shall always be conducted publicly.
第1項の英文を見ると「公開の法廷」ではなく、publicly(に)行わなわれ、判決が宣言(告)されければならないと言うだけです。
publiclyとは次に来るprivatelyの対語ですから、私的ではなく公的であればいいのです。
プライベートについては、誰に対しても開示の義務もないでしょうが、公的な仕事は、関係者に開示すべきものですから本質的に違うのです。
公的とは、すなわち公僕と言う観念があるように国民の付託を受けた公務員がすることですから、委託者に対し、自分の仕事の結果を報告しそのデータも開示するのは理の当然です。
パブリックとは、単に公的と言うだけではなく、我が国の「公・・お上」とは違い、イギリスでパブと言うと居酒屋を意味するように、どちらかといえば、公衆・・庶民・・民衆的意味合いで使われます。
リパブリックスが共和制を意味するように、西洋では、パブリックは、王制やその属僚である官に対する対立観念・・・・公衆と言うよりは、民衆の代表の行為として発達しているように見えます。
これを、公的、公衆と訳したのが、明治政府でした。
それまで「公」と言えば、公儀・・当局を意味し、○○公と言えば、高位の貴族、大々名や将軍家を意味した言葉でしたから、大衆的=下々とは対立するように受け取れたでしょう。
日本では、歴史上「公」とは、政府や公共団体など、一定の社会的に認められた組織の行為をさす言葉で、民衆の代表・・・民意による行為を意味したことはなかったでしょう。
今でも、「公」と言えば、会社の仕事と自分のことを区別して公私の区別をすると言う言い方が普通ですから、政府限定と言うよりも所属する団体や社会の行為と言う理解でしょう
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