08/21/06

公開の裁判を受ける権利2(憲法184)受任者の報告義務(民法168)

前回紹介したような歴史的意味からすれば、無制限に裁判を「公開」するのは、人権保障の側面から見れば行き過ぎでしょう。
無制限公開となれば、被告人の裁判を受ける権利と言うよりは、見せしめに公開する権利を権力者が握っているようなものです。
現在の警察の報道機関への公開の仕方を見ると、警察の都合で捜査の秘密だったり捜査内容がなぜか報道されたり恣意的です。
これ自体問題だと思っているのですが、裁判の公開も同じ問題があるでしょう。
裁判を受ける権利だけから見れば、被告人の希望したときだけ公開し、仮に原則公開としても、被告人の意見で公開停止しなければならないようにすべきでしょう。
刑事事件で面会に行くと、被告人によっては、親族への連絡をしないでくれと頼まれることの方が多いものです。
現在の状況を知っている生活仲間への連絡はいいのですが、あえて田舎の親には知らせないでくれと言うのは、恥の心と、親に心配かけたくないと言う心理があるからです。
被告人に聞けば公開して欲しいと言う被告人の方が少ないはずです。
(一般論として、憲法で公開の裁判を認められていますが、人権擁護のために・・秘密の裁判の方が良いですか?とかと聞けば「必要と思う」と答えるでしょうが、あなたの窃盗事件、飲酒運転ひき逃げなどなど具体的に聞けば、の話です。)
重要事件の被疑者がカメラのフラッシュを避けるように、シャツなどで顔を隠しますが、本能のしからしむるところであって、この心理は保護に値するべきでしょうから、これを認めない(被告人に選択権がない)のは行き過ぎでしょう。
今後は、利害のある関係者に告知や説明の義務があり、他方関係者(被害者を含めて)は知る権利があると言う程度のきめ細やかな条文に変えていくべきかも知れません。
基本は民法の原則どおりでいいのですが、刑事裁判は公的なものですから、これに被害者の知る権利やマスコミの取材権の確保をすればいいでしょう。

民法
第645条 受任者は、委任者の請求があるときは、いつでも委任事務の処理の状況を報告し、委任が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。

ここで言う受任者とは、公務員は国民の実質的な委任(委託と言いますが、報告義務の実質は同じです)を受けて行うものですから、公僕の行う公的行為総てが当てはまるでしょう。



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