08/19/06
吟味筋4(事実認定と量刑手続の分離1)刑事訴訟法50
江戸時代の手続に戻しますと、吟味筋の手続きは、犯罪事実の認定と刑罰決定過程の2段階からなっていましたが、事実認定は、概ね自白の追及に終始していたと書かれています。
(牧英正氏外日本法制史)
ちなみに現在の刑事訴訟法では、事実認定と刑の量定は混然一体とした手続きで進められています。
刑事訴訟法を見て置きましょう。
刑事訴訟法
「第三百三十三条 被告事件について犯罪の証明があつたときは、第三百三十四条の場合を除いては、判決で刑の言渡をしなければならない。
2 刑の執行猶予は、刑の言渡と同時に、判決でその言渡をしなければならない。
刑法第二十五条の二第一項の規定により保護観察に付する場合も、同様である。」
このように現在では、犯罪の証明があると刑罰も同時に言い渡すのですから、2段階ではありません。
私は今の混然一体の手続きよりも、2段階制の方が被告人の利益というか、本来の権利保護に適しているように思います。
事実確定と量刑が混然としていると、被告人が言いたいことがあっても、こんな事を言うと憎まれるのではないかとの心配があって、言いたいこともいえなくなるのが普通です。
事実認定手続きと量刑手続きをきっちり分ければ、被害者にもこういう落ち度があったなどの主張をしやすくなるのです。
交通事故の例を考えれば直ぐわかると思いますが、いろいろな傷害事件を含めて、ほとんどの場合過失割合があって、一方的に加害者だけの責任というのはむしろ少ないのです。
(中世まで喧嘩両成敗法が存在した理由です。)
「被害者がこうしてくれればよかったのですが・・・・それにしても手を出した私の方が悪いのですから、文句はありません。」
式のいつも腰の引けた言い方しか出来ないのが人情です。
この言い方を分析すれば分るように、事実の主張と反省の気持ちをごっちゃにいわなければならない被告人の不利さが分るでしょう。
事実の確定手続きと量刑の手続きが別々になっていれば、客観的事実については言いたいだけの主張を遠慮なく言えるようになるでしょう。
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