08/12/06

裁判所構成法15(評議の公行)と裁判所法17

前回紹介したように、条文は殆ど同じです。
ところで、裁判所構成法の121条1項および、裁判所法75条1項の評議を「公行せず」とは聞きなれない言葉です。
「公に行わない」くらいの意味でしょうが、戦後の裁判所法でも同じ言葉を使っているのは、以前書いたように、構成法をそのままにして、新憲法と矛盾する検事関係の規定を大急ぎで抜き出しただけだからでしょう。
今では、「公」とは、「公私の別」という言葉があるように、私的な行為と対立する概念として使われています。
判決の評議を私的に行なう訳がないのですから、公の意味は別にあることになるでしょう。
公開と言う言葉もありますし、「ことを公(おおやけ)にする」と言う言い回しもあります。
公とは、もともと包み隠さないことの意味でしょうから、評議の逐一を公開しないと言うのと同じでしょう。
「公行」とはその模様・・・プロセスを開示しないと言うことでしょうか?
確かに、判決の結果は開示されるのですから、ここで重要なのは、自分は反対だったがあいつが強硬に主張したので、こう言う判決になったなどの言い訳は一切許されないと言う意味です。
そうは言うものの、公開と言う熟語は、既に同じ法律に公開の法廷として利用されていたことを紹介しましたが、公開も裁判過程を逐一開示するものです。
こうしてみると、ニュアンスの違いで、条文は使い分けているとしか思えません。
公開は見たいものが見るだけですが、公行は自ら進んで中身をばらさないと言う程度の違いでしょうか?
ここまで来ると、公務員の秘密保持義務に近づいてくるでしょう。
これが、裁判所構成法121条2項と裁判所法の75条の第2項で、具体化されるのです。
「公行せず」の原則があってこそ、秘密保持義務が生まれてくると言う考えでしょうか?

 



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