08/09/06
家事審判法1(調停前置主義)と合理的話し合い
家事事件はもともと親しいヒトとの争いですから、訴訟でなく円満な話し合いのために調停が前置されているのです。
調停前置とは、訴訟の前に必ず調停を経由しなければならないと言う制度で、調停をしてもまとまらないときにだけ、訴訟できると言う制度のことです。
家事審判法を紹介しましょう。
家事審判法(昭和22・12・6・法律152号)
第1章 総 則
第1条 この法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等を基本として、家庭の平和と健全な親族共同生活の維持を図ることを目的とする。
第17条 家庭裁判所は、人事に関する訴訟事件その他一般に家庭に関する事件について調停を行う。但し、第9条第1項甲類に規定する審判事件については、この限りでない。
第18条 前条の規定により調停を行うことができる事件について訴を提起しようとする者は、まず家庭裁判所に調停の申立をしなければならない。
2 前項の事件について調停の申立をすることなく訴を提起した場合には、裁判所は、その事件を家庭裁判所の調停に付しなければならない。但し、裁判所が事件を調停に付することを適当でないと認めるときは、この限りでない。
家事審判法第1条を見れば分かるように、円満な解決を目指すために普通の民事訴訟法から家事事件を抜き出して家事審判制度と言う法律制度が出来たのです。
またこれを管轄するために、通常の裁判所とは別の家庭裁判所と言うものも出来ました。
ところが、不思議なことと言うか逆説的ですが、実際は、家事関係・親族関係の方が、円満な話し合いが困難なのです。
実は裁判所に来るようになった家事関係は、円満な話し合いの限度を超えてしまって、後は、財産分与や慰藉料などのお金の問題に移っているのが普通です。
この段階では、普通の民事事件とは違い、却って御互い相手を許せない感情が一杯ですから、不倶戴天の敵のように、相手とうっかり顔を合わすと、興奮して刃傷沙汰になることを恐れているのです。
最近多くなったDV関係紛争では、尚更でしょう。
あるいは、調停の場で、子どもを連れ去ってしまうとか、一般民事よりは家事事件の方が、合理的行動よりは、感情的突発的行動の方が多く、危険なことが多いのです。
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