08/07/06

裁判所構成法8(法廷等の秩序)

裁判所構成法には、法廷での秩序維持が重視され、いくつもの条文が用意されています。
現在の裁判所法も、これを引き継いでいるもので、殆ど内容が同じです。
以下、裁判所法と裁判所構成法を比べて見ましょう。
裁判所構成法の方がかなり詳しいのは、法廷の権威・威厳を重視していた面があるように見えます。
しかし、実はそうではなくて、戦後法律制度の分業が進んだだけとも言えるのです。
法廷の秩序を維持するためとは言え、そこでの法廷警察権の行使・・・法学上は、行政処罰・・秩序罰でしょうが、国民が不利益処分を受けるわけですから、実質的に見ると刑事処分と殆ど変わりません。
このために、裁判所構成法に組み込まれていた一種の刑事処罰とその手続法が独立したと言えるでしょう。
その他法律で書くよりも、下位の規則で定めるのが合理的と思われる部分は規則に譲られることにもなりました。
規則制定権については、法廷秩序維持法の後に紹介します。
裁判所法で一見簡略になったようですが、不利益処分に関しては、裁判所の組織に関する法律である裁判所法に混じっているのは無理があるので、「法廷等の秩序維持に関する法律」という特別の法律をつくることになっただけです。
その結果処罰手続が、より詳細になった(充実?した)面があります。
先ず、裁判所構成法の法廷秩序に関する規定を紹介し、次いで裁判所法(現行法)その次に法廷等の秩序維持に関する法律をみることにしましょう。

裁判所構成法
第三編 司法事務ノ取扱

第百八条 開廷中秩序ノ維持ハ裁判長ニ属ス
第百九条 裁判長ハ審問ヲ妨クル者又ハ不当ノ行状ヲ為ス者ヲ法廷ヨリ退カシムルノ権ヲ有ス
2 前項ニ掲ケタル違犯者ノ行状ニ因リ之ヲ勾引シ閉廷ノトキマテ之ヲ勾留スルノ必要アリト認ムルトキ裁判長ハ之ヲ命令スルノ権ヲ有ス閉廷ノトキ裁判所ハ之ヲ釈放スルコトヲ命シ又ハ五円以下ノ罰金若ハ五日以内ノ拘留ニ処スルコトヲ得
3 此ノ処罰ニ対シテハ上告ヲ許シ控訴ヲ許サス且其ノ所為ノ軽罪若ハ重罪ニ該ルヘキモノナルトキハ之ニ対シテ刑事訴追ヲ為スコトヲ得
第百十条 前条ノ規程ハ左ノ変更ヲ以テ当事者証人及鑑定人ニモ亦之ヲ適用ス
  第一 裁判所ハ閉廷ヲ待タスシテ本条ノ違犯者ヲ即時ニ罰スルコトヲ得
  第二 違犯者原告ナルトキハ裁判所ハ処罰ノ上仍本人宥恕ヲ請フカ又ハ恭順ヲ表シテ不敬ノ罪ヲ謝スルマテ其ノ審問ヲ中止スルコトヲ得
第百十一条 裁判長ハ不当ノ言語ヲ用ヰル弁護士ニ対シ同事件ニ付引続キ陳述スルノ権ヲ行フコトヲ禁スルコトヲ得其ノ禁止ハ此ノ行状ニ付懲戒上ノ訴追ヲ為スコトヲ妨ケス
第百十二条 裁判所ノ開廷中秩序ヲ維持スル為第百九条第百十条及第百十一条ヲ以テ与ヘタル権ハ予審判事又ハ受命判事又ハ法律ニ従ヒ其ノ職務ヲ行フ試補モ亦之ヲ行フコトヲ得
2 此ノ場合ニ於テノ異議ハ二十四時以内ニ其ノ判事又ハ試補ニ之ヲ申出ルコトヲ得
3 予審判事又ハ其ノ命ヲ受ケタル試補ノ命令ヲ為シタル場合ニ於テハ其ノ判事ノ属スル裁判所ノ刑事部若ハ刑事支部ニ於テ前項ノ異議ヲ裁判ス受命判事又ハ其ノ命ヲ受ケタル試補ノ命令ヲ為シタル場合ニ於テハ其ノ判事ニ命シタル裁判所ニ於テ之ヲ裁判ス
第百十三条 第百九条第百十条第百十一条及第百十二条ヲ以テ与ヘタル権ヲ行ヒタルトキハ訴訟ノ記録ニ之ヲ記入シ及其ノ理由ヲ記ス
2 前項ノ場合ニ於テ其ノ所為ノ重罪若ハ軽罪ニ該ルヘキモノナルカ又ハ懲戒上罰スヘキモノナルトキハ詳細ニ之ヲ記入シ裁判長ハ其ノ事件ヲ更ニ処分スルノ権アル官庁ニ報告ヲ為ス
第百十四条 判事検事及裁判所書記ハ公開シタル法廷ニ於テハ一定ノ制服ヲ著ス
2 前項ノ開廷ニ於テ審問ニ参与スル弁護士モ亦一定ノ職服ヲ著スルコトヲ要ス



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