08/02/06

司法支援センターと契約弁護士

話を戻しますと、前回まで書いて来た原因から、これまで何とかやってきた弁護士も、刑事事件から完全撤退せざるを得なくなる人が多くなるかも知れません。
実際東京では、刑事事件を全くやらないと言う弁護士が、ずっと前から沢山いるのです。
こうした選別が健全な?田舎あるいは、普通の中堅弁護士にも波及しようかと言う時代が来たと言うことでしょう。
私自身で言えば、まだ撤退するか否か迷っている所です。
社会正義のためかどうかは別として、個人の幸せとして考えれば、「何でも俺は出来るんだ!」というのは、幸せなものです。
司法センターと契約してもいつでも、やめられるらしいことがわかったので、(勿論受任した以上はその事件が終わるまで駄目でしょうが・・・。その次からと言う意味です)
       「撤退はいつでもできるしなあ!」
と言うのが、迷っている原因です。
要するに、自分で食える弁護士は、「国家権力の下請けなんかやってられない」と言うところで、刑事弁護から抜け出して行くことになるのです。
国選弁護の担い手は、最初は若手と言うだけで、玉石混交でしょうが、そのうち若手ではなくなっても、国家の下請けから抜け出しきれない弁護士と、判検事を定年退職した老人弁護士ばかりが、刑事事件の担い手になって行くとすれば、問題です。
マスコミを騒がすような大事件は、自然界で言えば絶滅危惧種のようなもので、普段からこれを支える中間的大多数の事件の経験をしておかねば、イザと言うときに役に立ちません。
ところが、普通の事件の私選事件がなくなってきたので、イザと言うときにこれを受任し、ちゃんとやっていくだけの実戦訓練をする機会がなくなってしまったのです。
そこで、実力をキープしておくためには、国選を継続的に受任して行かねばならない時代が、ここ10年ばかり来ているのです。
こうして刑事弁護を続けようとする限りは、・・・司法支援センター・・国家の下請けに絡め取られて行く仕組みです。
同じく民事系の法律相談も、支援センターで集約して行こうとしているのですから、庶民・一般の事件は行く行く、刑事、民事を問わず、入り口で、国が管理できるシステムにして行こうとしているのです。
こう言う状態下で、大量増員政策によって足元の揺らいでいる弁護士会に対し、国選費用を無茶に安く設定したうえで、「さあ、どうだ!」と最後通告を突きつけているのが、最近の司法支援センター問題と言えるでしょう。
ところで、「貧乏人・・・庶民の事件くらい、国が管理してもいいじゃあないの?」と言う人がいるかも知れません。
しかし、マスコミを騒がすホリエモンのような大事件は、万に一つ有ればいいと言うところで、庶民・普通人間の紛争が紛争の大半なのです。



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