08/12/05

憲法118(弾劾裁判所2)司法権の独立

政権党に偏らない中立の訴追委員・弾劾裁判員の選任方法が考案されるべきでしょう。
そうでなければ、憲法で裁判官の独立と言っても与党の気に入らない判事をいくらでも訴追できることになってしまいます。
これを示したのが、裁判官に対する青法協加入の有無を紹介した訴追委員会の問題です。
このような思想調査は、キリシタンの踏絵同様ですから、一般の社員・労働者に対してでも、このような調査は許されないでしょう。
ところが、裁判官に対して国会がこうしたことが出来るというのでは、憲法上もっとも身分の保障されているはずの裁判官が、実際は一般労働者よりも思想信条の自由が脅かされていることになります。
これまで弾劾裁判が開かれたのは、私の知っている限りでは、当時共産党宮本委員長の身分帳閲覧問題での鬼頭判事補の弾劾裁判と、破産部の汚職問題での弾劾事件だけです。
地裁判事の収賄事件は、07/06/05「破産の現状10(小額管財6)司法センターとの関係(弁護士の下請け化)1」のコラムで紹介しました。

憲法
第78条 裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。
裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行ふことはできない。」

「公の弾劾によらなければ罷免されない。」という憲法の条文を受けて国会法で弾劾手続きの定めが置かれています。
先ず、どう言う機関が罷免手続きをするかというところですが、その機関は「弾劾裁判所」と名づけられます。
次に裁判をする資格者としては、両院の中から選ばれた者が裁判員となります。
これでは、多数党寄りの構成になりますから、平賀書簡問題で明らかなように、政権党に有利に計らう裁判官に対する弾劾は不可能です。
逆に「憲法違反じゃあないか」と訴え出た方(福島裁判長)が重い処分を受けることになるのです。
3権分立の牽制関係は当然ですから、国民の代表たる国会で構成するのはやむをえないとしても、事件発生当時の政権党が、多数で構成するのでは、実質的な司法権の独立は守れません。
誰が訴追するかと言う点も、議員の中から選ばれた者に限定されます。
検事が訴追出来ないだけまだましか?というところですが、現在こんな程度で満足していてよいのでしょうか。



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