08/06/05
民法144(後見人等の申立権者2)代言人規則1
申し立て人としては、鑑定費用や弁護士費用などを負担しなければならないなど、実際上いろいろな費用がかかりますが、そんなに費用をかけても申し立て人が1銭も得をしないどころか、今のところ申し立て費用は申し立て人負担のままなのです。
これからは、親族よりも近くの他人に頼らねばならない時代ですから、むしろこうした諸経費くらいは、面倒見るようにして行く必要があるのではないでしょうか?
好意・善意で、いろいろ資料を集めて手弁当で動き回っている人に、実費保障を最低認めるべきでしょう。
こんな訳で、申し立てが近親や検察官にしか認められなかったのは、フランス革命のときや、現行民法制定時(明治30年初め)には、いまのような、信用のある弁護士制度が確立されていなかっただけの話です。
弁護士制度の歴史についても、そのうち機会があれば紹介しますが、明治初めに弁護士の原始制度である代言人制度が出来ますが、裁判官の給源の前提となる大学制度でさえ、日本最初の大学・帝国大学(現東大)が出来たのが明治19年のことでしかないのです。
こういう訳で、裁判官の資格制度ができるのも論理的にずっと後だと言う説明をしましたが、弁護士の資格制度はなおさら遅れて発達したのです。
参考のために、代言人規則だけ紹介しておきましょう。
この規則では、当然どういう試験に合格した者に限る等の資格制限はありません。
(まだ、大学も出来ず、学制が決まらない時代なのですからしかたないでしょう。)
代言人規則(明治9年2月22日司法省布達甲第1号)
第一条 凡ソ代言人タラントスル者ハ先ツ専ラ代言ヲ行ハント欲スル裁判所ヲ示シタル願書ヲ記シ所管地方官ノ検査ヲ乞フヘシ
地方官之ヲ検査スルノ後状ヲ具シテ司法省に出ス然ル後其許スヘキ者ハ司法卿之レニ免許状ヲ下付ス
第二条 代言人ヲ検査スルハ左ノ件々ニ照スヘシ
一 布告布達沿革ノ概略二通スル者
二 刑律ノ概略二通スル者
三 現今裁判上手続ノ概略二通スル者
四 本人品行並二履歴如何
第三条 免許ヲ与フヘカラサル者左ノ如シ
一 懲役一年以上実決ノ刑二処セラレシ者
二 身代限ノ処分ヲ受ケシ者
三 其地方内二定マリタル住居アラサル者
四 官職アル者
但准官吏タル者モ亦同
五 諸官員華士族及ヒ商家其他一般ノ雇人タル者
但雇主承諾ノ証書アル者ハ此限ニアラス
第四条 既二免許状ヲ与フレハ之ヲ司法省並各裁判所ノ代言人名表ニ登載ス
但免許状ヲ得タル者ハ必ス該裁判所所在ノ地大区内二住居スヘシ
(注) 明治九年、三月三一日司法省布達甲第三号により第四条中但書改正
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