08/04/05
法の改正と政体書
大変革期の明治維新では、短期間に法の改廃が激しかったのですが、その1例として明治維新の基本法である政体書を見直しておきましょう。
政体書については、07/19/05「藩の始まり(政体書)1」以下で紹介して来ましたが、短期間での法令の改変について、公文書には珍しく言い訳を書いてあって面白いので、もう一度みてください。
アンダーラインの部分です。
閏四月二十一日
去冬 皇政維新纔ニ三職ヲ置キ続テハ八局ヲ設ケ事務ヲ分課スト雖モ兵馬倉卒之間事業未タ恢弘セス故ニ今般 御誓文ヲ以テ目的トシ政体職制相改候ハ徒ニ変更ヲ好ムニアラス従前未定之制度規律次第ニ相立候訳ニテ更ニ前後異趣ニ無之候間内外百官此旨ヲ奉体シ確定守持根拠スル所有テ疑惑スルナク各其職掌ヲ尽シ万民保全之道開成永続センヲ要スルナリ
慶応四年戊辰閏四月 太政官
「今般 御誓文ヲ以テ目的トシ政体職制相改候ハ徒ニ変更ヲ好ムニアラス」として、政体や職制を改変するのは、「いたずらに変更を好むにあらず」、基本方針はご誓文どおりで変わらないと言い訳しているところが、どこか人間的で面白い文章です。
そして、「従前未定之制度規律次第ニ相立候訳ニテ」と追々未定のことが次第に決まって来たので・・・というのです。
戦後の民主化に向けた大改革では、法律を制定するのは一回きりで、あとはそのままというのが殆どですが、当時の政府高官は本心から民主化したくなかったからでしょう。
「さしあたり、うるさいGHQの検閲を折角すり抜けたのだから・・・。」
という気持ちで、何とか骨抜きになるように改正法を作ったのでしょうから、せっかくもぐりこませた古い思想を少しでも温存したかったのでしょう。
薬害エイズ、ライ予防法、今大問題のアスベスト禁止が17年も放置されていたのと同じで、権力に不都合な方向への改正は、何十年でも、1日でも長く積み残しておきたいのが、権力・官僚制の本質的性向でしょうか?
こうした改正意見は、憲法(総理の理など)その他いろんな箇所で書いていますので、サーチして見てください。
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