08/02/05

平賀書簡問題5(日弁連決議)提案理由4

次に第二決議案のことであるが、札幌高裁の福島判事に対する処分は、すでに札幌地裁最高裁の処分がなされているのに、この訴追委員会決定直後であります。右の処分と反対の趣旨になっております。
一方最高裁判所は事件当時は、福島判事の書面行為について、いわゆる平賀書簡公表行為については、事実上不問ということでありまして、少なくとも国民の印象からは、そうであったのである。
訴追委員会の決定直後、裁判所は一転して札幌高裁が福島判事に対して節度を逸脱した行為として批難して、しかしその直後に最高裁が積極的にこれを容認する談話を発表しているのである。
こういう経過から見て司法が政治に屈したものと、私共は判じて立証証明が充分だと思います。
このような裁判所の態度は訴追委員会の不当な決定を黙認しているばかりではなく、これに追随して司法権の独立を自ら放棄するものであり、裁判の中立性という名の元に内部から裁判官の思想良心の自由の侵害を容認するものである。
しかも外からの介入に内側から、そうするような仮りにもそんなことがあれば、それはすでに司法権の独立が、危殆に ひんしていることは意味するものである。
国民の裁判及び裁判所を信頼する道は唯一のであります。
それは憲法に明言されておる。
すなわち裁判官は憲法によって、良心に従って独立して裁判せよと、こう書いてある。
良心的裁判官というものは、憲法に忠実であることでなければならない。
ここには何んか世にいわれておる裁判の政治的中立性などというような非常に曖昧なことを入れる余地はありません。
正に司法権の危機と叫ばざるを得ません。
法曹会としても重大な問題であります。
従って平賀判事に対する訴追決定を、平賀判事に対して訴追請求の決定を決定して実行しております。 
あるいは釧路・札幌・仙台・東京・第二東京・横浜・長野県・金沢・大阪の各弁護士会、それと関東連合会弁護士会、関弁連はすでにこれ等の問題について抗議声明を発表しているのである。
弁護士の使命というものは基本的人権を擁護することにある。
これは国民と共にあゆむということにあります。
そしてこれが弁護士、弁護士会の責務であって使命であるのです。
全国8,000余の弁護士を擁している法曹界の重要な柱である日本弁護士連合会が、何んらの意思表明をしないことは、在野法曹としての責務を怠ったものであると.思います。
最後に記憶をあらたにして戴きたい。
かつて日本弁護士連合会が昨年5月24日に、東京プリンスホテルにおいて第二十回定期総会を開催しております。
その当時の国会の与党内に裁判制度調査特別委員会などが設置された頃であります。
その宣言を読み上げて見ますと、
 『司法権の独立は民主主義の根幹であり人権擁護の最終的補償である。しかるに、近時権力を背景として裁判官に圧力を加えまたは加える恐れがある言動が見られることは正に遺憾である。
我々は司法権に対するかかる圧力を排除し、その独立を守ることを期する』
といっているのである。
かかる当時日弁連が毅然たる態度を持ったことを本日ここに改めて記憶をあらたにして、私の提案理由の説明と致します。



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