08/10/04
旗本と与力11(軍と捜査機関の分離1)寿命と適応力
話しがまた横へ行き過ぎますので、元に戻しますと、こうしたわけで、正規軍人たる武士は、犯罪者を検挙したりする仕事はやったことが有りませんでしたし、これから必要だと言われても、これまでの武士・軍人のイメージからかなり外れますので誰もやりたがりません。
君主の馬前で、死を恐れず戦うのは良いとしても・・・・・・・という感じです。
それに軍人は、戦うのには慣れていますが、地道な犯罪捜査には向いていません。
戦車とバイク・パトカーの違いともいえるでしょうか。
(戦車で走り回っても捜査は出来ません)
一見腕力で制圧するところは、似ていますが、実際は警察官と腕力で戦う犯人は1%もいないと言ってもいいのです。
殆どの人は、警察官に刃向かうことなく電話1本で呼び出され、あるいはちょっと来いと言われれば、逮捕状がなくとものこのこ警察署へ付いていくのが普通です。
お陰で弁護士が勾留中の被疑者に面会して、「何時逮捕されたのか?」を質問してもたいていの人は「さあ?」というばかりで自分が何時逮捕されたのかさえはっきりしないのです。
「昨日の昼ごろ呼び出しで警察へ来て、それからずっと調べられてて・・・・」というばかりではっきりしないのです。
警察の仕事の殆どは、地道な情報収集、捜査、裏づけ、取り調べ・・・・・報告書作成などであって、ジャッキーチェーンみたいに戦うことは滅多にないのです。
警察官が戦うことがあるのは、1生に1回あるかないでしょうから、現在の犬は客がきても吠えないのと同じです。
家に来る人のうち何万分の1しか怪しい人はいないのに、人が来るたびに毎回吠えたり噛み付いていたのでは、犬にとってはマイナスの方が大きいのです。
いまどき、旧来型の吠えまくったり噛み付くのが得意の犬では、生きていけません。
08/06/04・・・2「旅行8・・・仙石線と松島(今風のかもめ)」のコラムで、かもめの時代適応を紹介しましたが、犬も結構時代適応しているのです。
犬や小鳥は世代交代が数年単位ですから、素早く時代適応しやすく出来ていますが、生物はは寿命が延びれば延びるほど、時代、環境の激変に適応するのが不利になって行きます。
こうして見れば、寿命が延びるのは人類にとっては環境変化に弱くなっていく喜ばしからざる傾向と言えます。
私の弁護士業務での説明でも、色々な交渉の帰結パターンを説明するときに
「このやり方は、今は勝ったように見えても長い目で見ると却って損なこともある。」
という説明をすることがありますが、寿命の伸びはこれに似ています。
どうせ90まで生きても70で死んでも、人の幸不幸にあまり変わりがないのですから、これ以上寿命を延ばすために努力するのは、神様から見れば馬鹿な努力をしていることになるではないでしょうか?
20〜30歳に寿命を縮めろとまで極端なことは言いませんが、寿命の伸びもほどほどに制御しないと、環境変化に人類が対応できない時代が来るかもしれません。
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