08/31/03

代表権の確認(表見代表)(商法17)

では、社外の第3者は、対面している○○取締役が、会社を代表する権限があるかどうかをどうして知ることができるでしょうか?
社外の人が会社を代理する時には、代表者からの委任状をもらってこれを提示できますね。
ところが、その委任状発行者である社長等の代表者が、自分が代表者であると言う御墨付きを、社内で発行する人は法律上いないのです。
ほとんどの場合、名刺を信用して取り引きなどをしていると思いますが、これを法的に確認する方法として、商業登記簿謄本または商業登記事項証明があります。
役員登記の効力は、効力発生要件ではなく、対外的な、対抗要件でしかありませんが、第3者は、これを信用して取り引きすれば、社内的には、その1ヶ月前の総会で解任されていても、取り引きの時までに解任登記していなかった以上は、責任をとってもらえる仕組みです。
商法を見ましょう。


第3章 商業登記

第9条 本法ニ依リ登記スベキ事項ハ当事者ノ請求ニ依リ其ノ営業所ノ所在地ヲ管轄スル登記所ニ備ヘタル商業登記簿ニ之ヲ登記ス

第10条 本店ノ所在地ニ於テ登記スベキ事項ハ本法ニ別段ノ定ナキトキハ支店ノ所在地ニ於テモ亦之ヲ登記スルコトヲ要ス

第11条 登記シタル事項ハ登記所ニ於テ遅滞ナク之ヲ公告スルコトヲ要ス

  1. 公告ガ登記ト相違スルトキハ公告ナカリシモノト看做ス

第12条 登記スベキ事項ハ登記及公告ノ後ニ非ザレバ之ヲ以テ善意ノ第三者ニ対抗スルコトヲ得ズ 登記及公告ノ後ト雖モ第三者ガ正当ノ事由ニ因リテ之ヲ知ラザリシトキ亦同ジ

第13条 支店ノ所在地ニ於テ登記スベキ事項ヲ登記セザリシトキハ前条ノ規定ハ其ノ支店ニ於テ為シタル取引ニ付テノミ之ヲ適用ス

第14条 故意又ハ過失ニ因リ不実ノ事項ヲ登記シタル者ハ其ノ事項ノ不実ナルコトヲ以テ善意ノ第三者ニ対抗スルコトヲ得ズ

第15条 登記シタル事項ニ変更ヲ生ジ又ハ其ノ事項ガ消滅シタルトキハ当事者ハ遅滞ナク変更又ハ消滅ノ登記ヲ為スコトヲ要ス」

商法第12条がその中心的な条文です。
では登記上は、代表権が記載されていないのに、名刺などで、専務取締役、とか副社長と記載して使用していて、会社もこれを黙認ないし公認していた時は、どうなるでしょうか?


商法
第262条 社長、副社長、専務取締役、常務取締役其ノ他会社ヲ代表スル権限ヲ有スルモノト認ムベキ名称ヲ附シタル取締役ノ為シタル行為ニ付テハ会社ハ其ノ者ガ代表権ヲ有セザル場合ト雖モ善意ノ第三者ニ対シテ其ノ責ニ任ズ」
 

この条文で、善意の第3者に対しては、名刺だけの専務を表見代表取締役と言って、会社側は、後になって、この人は代表権がなかったので、契約は無効ですとは言えないことになっています。




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