08/30/03

代表者(商法16)

会社の代表者の登記を委任する人、すなわち任命する自然人が別に存在しない説明から、検察の独立性にまで話が飛んでしまいました。
話しを、代理と代表に戻します。
任意代理や、法定代理に対して、法人の代表者は、委任者に当たる自然人がいませんし、(あるとすれば株主総会の総意・・代議士の場合の国民の総意に似てきますね)法定代理人(被後見人や未成年者)の場合も、本人が存在するものの、代理人に対する本人の意思ないし指図する人がいない点は、似ていますね。(親族法では、法定代理人を代表と書かれていることは紹介しました。)
この意味では代表者とは誰かの代理ではなく、法人の「機関」そのものであるとも言えます。
機関に関しては「06/07/03 天皇機関説事件とは 1」以下のコラムで、紹介しましたが、機関そのものの説明はして来ませんでした。
国家その他の組織が実在化してくると、この代表者はその機関としての実質を持つようになってくるように思われます。
株式会社で言えば、内部機関としての株主総会、外部に会社を代表する機関としては代表取締役があります。
商法では、株主総会や取り締まり役、監査役に関する部分を、「第3節 会社の機関」と明文で表示しているくらいですから、今では機関であることは、私の独自の考えでないことはお分かりいただけるでしょう。
世上「社長」と言う言葉が流布していますが、これは法律用語ではありません。
社長であれ、頭取であれ、総裁であれ、あるいは、専務、学長、総長、書記長、党首、委員長、組長などなど組織内の、内部序列をどのように呼ぼうが、その組織の勝手です。
株式会社では、取締役会で代表者を選任することになっていて、会社によっては常務以上の取締役に代表権を付与しているところもあれば、社内トップの社長ただ一人だけが、代表権を持っているところもあります。
このように法律上は、ある人が、代表権があるかどうかが重要なポイントですが、一般の人にとっては内部序列の方が気になるところでしょうから、社長や総裁、会長と言う単語が意味を持っているのだと思います。
専務、副社長、常務、部長、課長などの呼称は、対面している相手が、その組織のどの程度の位置にある人物かを、互いに分かりやすくする意味が強いようです。
商法の条文を紹介しておきましょう。


商法
第261条 会社ハ取締役会ノ決議ヲ以テ会社ヲ代表スベキ取締役ヲ定ムルコトヲ要ス

  1. 前項ノ場合ニ於テハ数人ノ代表取締役ガ共同シテ会社ヲ代表スベキコトヲ定ムルコトヲ得



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