08/27/03
起訴便宜主義4(刑事訴訟法6)(政治的思惑と政策考慮)
政治的思惑による検挙とは、時代精神から見て、一罰百戒の為に検挙するのではなくて、特定の政治家とその権力闘争相手のどちらかの有利になるように、あら捜しみたいに検挙する場合を言います。
勿論検察は、表向き社会正義の為の検挙である。と言う名分を用意してから検挙するのでしょうが、私が言いたいのは、その実質的狙いを言っているのです。
交通法規違反も、全て社会的意義があるのは当然ですが、特定の政治家を狙い撃ちしていないかと言う視点です。
「08/16/03令状主義の限界(憲法1)」前後のコラムで連載しているように、政治的思惑で偏頗な捜査、検挙をされた被疑者にとっては、偏頗捜査をしていると言う証明は、個別事件では法的には不可能なことです。
したがって、検察官が政治的思惑で権限行使をしても、法的にこれを阻止できませんので、結果的に、検察官は強大な権限を握ることになってくるのです。
この権限が歪んで行使されないためには、罪刑法定主義と、裁判官の発する令状がなければ逮捕、拘禁、捜索差し押さえが出来ない規定が完備し、検事総長に、人材を得れば、十分と言うのがこれまでの(少なくとも学者の)考えだったように思われます。
そうして、検察は、政治の批判を受けないように、政治家を逮捕するときは、与野党バランスよく検挙してきたのです。
みなさんは、戦後長い間に政治家が、汚職や脱税で逮捕されたいくつかの事件を、覚えていると思います。
検察は、バランス感覚があることを証明するかのように、自民党代議士が逮捕されると、必ず社会党やその他の野党代議士も逮捕され、バランスをとってきたのです。
でもこのやり方は、おかしいのです。
与党大物代議士の疑獄事件を追及するのに、いつもペアーで野党代議士を何らかの罪で検挙しなければならないと言う発想そのものが、政治追従ではないでしょうか?
形式的にはバランスをとっているつもりでしょうが、そうしないと与党大物の検挙が出来ないと言うのであれば、検察の中立性が実質的に侵されていることになると思います。
検察が、政治的中立を守るという事は、政治的思惑で検挙しなければいいのであって、与野党いつもペアーで検挙する形式主義的運用を要求する物ではないのです。
今回も旧来の図式でやったのですが、(野党の辻元対、与党の田中真紀子、鈴木宗男)現在の政治対立は、与野党対決でないのが、誰の目にも、分かっていたところに従来の与野党ひとりづつ検挙と言う形式的バランスの限界が露呈してしまったように思います。
検察官(検察庁)は、これまでの役人的形式主義で、与野党バランスよく検挙と言うやり方では、これからやっていけません。
また、本来の中立と言うのは、与野党バランスよく検挙する事ではなく、法を守る検察の立場から見て、政治的思惑と離れて毅然とした仕事をする事ではないでしょうか?
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