08/25/03

起訴便宜主義2(刑事訴訟法4)

検察官の起訴独占主義と全件送致主義、起訴便宜主義の結果、刑事事件に関しては、起訴、不起訴の裁量権、すなわち最終処分権が、検察官に集中する結果となりました。
ご存知の公正取引委員会による摘発や、所得税法、法人税法違反の摘発があっても、最後に刑事裁判に持ち込むか釈放してしまうかどうかは、検察官が決める事になるのです。
検察官は、どこを捜査するか、誰を摘発するか等着手段階で、さじ加減出来るだけでなく、この原則の採用によって、司法機関の一部としての職務よりも、捜査完了後にも、さらに起訴不起訴の裁量権の行使権限が法規で認められているのですから、政治的思惑での権限行使が可能となって来るのです。
私が言っているのは可能であると言うだけで、法律が、政治的思惑での権限行使を許していると言うのではありません。
むしろ、法律家にその役割を委ねたという事は、政治的な思惑による運用ではなく、純粋な法的判断、刑事政策的な判断で運用する事を期待しているものと思われます。
勿論刑事政策判断は、政策と言う言葉から明らかなとおり、政治と無関係ででは、有りえませんから、(世間を騒がせる大事件が起きますと、処罰強化をもとめる意見が噴出する事があるのはご存知のとおりです。)政治とのある程度の接点ないし、政治的センスが必要な部門でもあります。
その意味では、同じ法律家と言っても、裁判官のように全くの無味?無臭が良いのではなく、検察官には、ある程度の政治感覚が求められるともいえるでしょう。
こうして見ると、検察官は、中立性維持とのバランスが難しい職務だと言えますね。
この難しい注文をこなすには、基本的には、検察官自身の自己陶冶、自己抑制に待たねばなりませんし、他方では、政治家からの過度の(少しでも問題ですが)介入を制度的に防止できなければなりません。
これが、検察庁法で、法務大臣が、個々の事件については、担当検事を指揮命令出来ないと言う条文になっているゆえんです。




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