08/22/03
全件送致主義1(刑事訴訟法2)
このように、検察官は、戦後刑事手続き、基本的人権保障の要の役割を期待されて出発したものといえるでしょう。
その現れが警察その他、捜査権を与えられた全ての機関は、強制捜査すなわち逮捕や捜索をした事件については、全て一定時間内に検察官に事件を送致しなければ、ならなくなったのです。
刑事訴訟法を見てみましょう。
刑事訴訟法第二百二条 検察事務官又は司法巡査が逮捕状により被疑者を逮捕したときは、直ちに、検察事務官はこれを検察官に、司法巡査はこれを司法警察員に引致しなければならない。
第二百三条 司法警察員は、逮捕状により被疑者を逮捕したとき、又は逮捕状により逮捕された被疑者を受け取つたときは、直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨を告げた上、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者が身体を拘束された時から四十八時間以内に書類及び証拠物とともにこれを検察官に送致する手続をしなければならない。
- 前項の場合において、被疑者に弁護人の有無を尋ね、弁護人があるときは、弁護人を選任することができる旨は、これを告げることを要しない。
- 第一項の時間の制限内に送致の手続をしないときは、直ちに被疑者を釈放しなければならない。」
この条文をお読み戴ければ分かるように、警察等は逮捕後わずか48時間以内に検察官に、身柄及び関係証拠、書類を検察官に送致しない限り、釈放しなければならなくなりました。
これが世に言う、書類送検です。
こうして警察が、違法不当な逮捕を出来ないように刑事訴訟法では、検察官によるチェックを、受ける仕組みが出来たのです。
現場の捜査必要事件は、無数にありますので、どの事件の捜査をするかどうかの裁量は、現場の捜査機関にゆだねるしかありません。
その代わり、逮捕したら警察の手持ち時間は48時間しか認めない、と言う厳格な法律にしたのです。
刑事実務では、検察官に送られた被疑者は、まず最初に検察官から、被疑事実に間違いないかどうかの言い分を聞いてもらえる仕組みになっています。
これを、弁解録取手続きと言い、刑事訴訟法の理念から言えば、検察官は、捜査官の立場で被疑者に接するのではなく、法律家の立場で、人権侵害が無いかどうかをチェックする役割を担っているのです。このように警察が、逮捕しておきながら、微罪処分する道が閉ざされたのですから、マスコミなどが、書類送検を大きく取り上げるのは、戦前の発想を引きずっているからでしょう。
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