08/21/03
起訴独占主義(刑事訴訟法1)
逮捕状等の令状を発行するのは、前回のコラムの検討で裁判官である事がわかりましたね。
では次に、捜査を終えて、起訴をするのは誰の権限でしょうか?
刑事訴訟法を紹介しましょう。
刑事訴訟法
第2編第2章 公 訴
第247条 公訴は、検察官がこれを行う。
247条は、起訴独占主義の明文化であると言われています。
刑事事件の被疑者として、事件捜査、逮捕、勾留した時には、これを起訴する権限を持つのは、検察官だけであって、司法警察員や、司法巡査、その他の法律で、捜査権を認められている者でも、その役人には起訴する権限がないことの宣言です。
検察官は、別の機会にも述べますが、刑事捜査の頂点に立って、仕上げをする機関として存在しているのです。
検察の起訴独占主義は、実は検察官に対する絶大な信用から認められたものなのです。
検察官は(副検事を除く)、原則として、私達弁護士や裁判官と同じ司法試験に合格し、一緒に司法研修所で新憲法を学び、同じ思想的教養を身に付けた法律家すなわち憲法英文で言うところのjudicial
officer であり、裁判官に同視すべきほどの信頼があったのです。
このことから、人権感覚のある人材を想定し、(給源は裁判官と同様・・予審判事制度を想起して下さい。検察官を予審判事になぞらえたと言えるのです。)判事と同資格の検事に権限を集中したのは、民主主義的発想の極致と言えるでしょう。
当時の絶対的支配者であったG H Qとしては、アメリカ的法曹一元を当然視していたでしょうから、検察官もゆくゆくは、弁護士の中から選挙で選任されると思っていたのかも知れません。
このような思想的背景から、どのような国家機関も、検察官の目をとおさなければ、公判請求出来なくしてしまい、法律家である検察官による民主的コントロールを目指したのです。
しかも、次のコラムで述べますが事件捜査をした以上は、全て検察官に送致しなければならないこととし、闇から闇へ、不明朗な逮捕監禁が出来ないようにしたのですから、戦前の制度から見たら、画期的なことでした。。
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