08/04/03

訴訟能力 2(民事訴訟法 8)(本人訴訟の実際)

それでは、この条文は、未成年者または被後見人本人が、弁護士を頼まないで自分で訴訟(本人訴訟と言います)した場合を、想定して作ったのでしょうか?
民事訴訟法は、本人訴訟を、原則的にした体系になっていることは前回のコラムで書きました。
普通の人でも、(未成年者でなくとも)裁判に受け身で関与する場合、例えば信販や金融機関から未払い債務の支払いを求めて訴えられた場合、弁護士に頼まないだけでなく、相談すらしない人は幾らでもいます。
借りているのは間違いないし、払えないのも違いないので裁判に行っても仕方ないからです。
ところが、自分から訴える場合に、斯く斯くのいきさつの場合、自分に正当性があるかどうかの取っ掛かりからして不安なものですから、外形上本人訴訟の場合でも、訴状の書き方の相談に始まって、いろいろ相談したいものです。
従ってこのころでは、まったく弁護士に相談しないでやれる人は滅多にいません。
弁護士が相談にのった結果、法的に無理筋であるが、どうしても本人がやりたいと言う場合、本人の感情的な気持ちは分かるが、予想される慰謝料や請求金額が低すぎる場合等々の事情から、書き方だけ指導して弁護士が表にでないで、本人名でやってもらうことがあります。
まして、未成年者や被後見人(多くは精神病院入院中などです)が、法律家不関与のまま親にも聞かず、自分で積極的な法的手続きをする場合は、(普通は訴状を書くことすら「出来ない」でしょう)皆無と言ってもいいでしょう。
このような次第で、本人が原告や申立人になって積極的に行動する場合、その背後に弁護士や司法書士が存在することが多いものですから、その場合、訴訟行為能力を厳重に問題にする必要はありません。
誰でも法律相談などする現在では、本人保護のためとすれば1%どころか0、001%近い、ごく稀なケースを想定した条文と言えそうです。
次に無能力者が訴えられたり、相手方になる場合を考えて見ましょう。
無能力者が事件に巻き込まれたり、借金をしたり、携帯を使い過ぎたり、なんらかの債務者になることは考えられますので、裁判の被告や相手方になる場合が、幾らでも想定できます。
この場合は、いきなり裁判が来ますので、まさに弁護士に何も相談していない場合が多いのです。
こうして見ると、無能力者保護規定は、訴訟の相手方になった場合だけ存在価値があるとも言えますね。
それでも弁護士が代理人になっている場合はその限りでないと言う規定があってもいいように思います。
代理している弁護士にとっては、未成年者から頼まれても親から頼まれたのでも、裁判上やることは同じですから。
実際未成年者が当事者の場合、事件の進行に併せて必要となる事情は、未成年者から聞かねば何も分かりませんので親からは、委任状をもらうだけになります。
弁護士が選任されている時に必要の無い規定でないかと、私がこだわるのは、民事訴訟法で、当事者が死亡した時でさえも、弁護士が代理人である時は、相続人が決まるまでのあいだ、訴訟が中断しないでそのまま続けられる仕組みになっている点からも言えることなのです。
民事訴訟法の関係規定を紹介しておきましょう。




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