08/02/03

相続放棄10(民法98)(相続財産法人1)

では、相続放棄を相続人が全員してしまうとどうなるでしょうか?
全員と言う意味は妻子が全員放棄すると、夫の親が相続人になり、親も放棄すると、兄弟姉妹が相続人になって、彼等も、全員放棄すると、ついに相続人全員放棄となるのです。
その場合、遺産はどうなってしまうのでしょうか?
民法の条文を紹介しましょう。

第5編第6章 相続人の不存在
第951条 相続人のあることが明かでないときは、相続財産は、これを法人とする。


戸籍上判明する全員が放棄すると、この条文に該当します。
全員放棄なら、不存在が明らかではないの?と思うでしょうが、戸籍に記載されていない未認知の子供いるかも知れませんし、離縁した養子縁組が文書偽造で無効だと争う人がいるかも知れません。
ま、何が有るか分からないので、一応明らかでないと言うことにしています。
「07/05/03法曹一元 5(判検交流)(李下に冠を正さず)」のコラムで 、裁判は絶対的真実発見を目的にしていない、訴訟的真実を求めるだけであると説明しました。
以下の手続きをして相続人を捜索した限度で、分かる範囲で次の手順に進むと言うだけです。
絶対的に相続人がいないときめる訳では有りません。
法人とすると言っても、会社のように登記する訳では有りません。
何もしなくとも、この段階で自動的に法人になってしまうと言う意味です。
この法人を、相続財産法人と言います。
民法では、客体になる財産が主人公がいないまま瞬時も存在することがない仕組みです。
それで、最終的に国庫に帰属するまでのあいだ、法人を擬制している訳です。
なお、法人が実在しているか、法人は擬制された存在かという擬制説と実在説の争いは、法人のコラムで別に説明しましょう。




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