08/01/03
相続放棄8(民法95)(錯誤とは?)
子供達が放棄してしまって、困った人の相談の趣旨は、「自分が、まさかお父さんの兄弟が相続人になると思わなかったので、錯誤で無効にすることが出来ないか」と言うものです。
錯誤とは一般用語では「思い違い」と言うことですが、この場合、何を思い違いしたのかがまず問題です。
彼らがしたのは、「放棄」ですから放棄するつもりがなかったのに、間違って放棄と書いたのだと言う場合は、錯誤になります。
この場合は、内心の意思と表示行為とが食い違った場合で、普通に有る錯誤ですね。
ところが彼等は、心から放棄するつもりで放棄手続きをしたのですから、内心の意思(効果意思)と表示は一致しています。
どこが違ったのでしょうか?
彼等は、放棄すれば自分達の相続分が、母に行くと思ったのが、間違いなのです。
放棄するに至った動機、縁由が問題なのです。
こういう錯誤は動機の錯誤と言い、法律行為の要素の錯誤にはなりません。
後に錯誤ないし意思表示の説明で、触れますが、要素に錯誤がなければ原則として錯誤による無効は認められません。
結婚したら、こうなると思ったのに、思惑が外れたと言っても結婚意思がなかったと訴えられないのと同じです。
この事例では、放棄に関しては錯誤がなかったと言うことになります。
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