07/22/08
金・ドル交換停止と基本財産の必要性
各国政府の資産内容が不明瞭なままで、しかもアメリカの外貨準備額が海外流出分の67分の1の保有しかないのでは「幾らなんでも・・・」と言う程度の直感・・不安心理だけが基準ですと、世界の為替相場が大きく振れるリスクがあるのです。
・・不安心理が中心ですから、一旦一定方向へ振れ始めると実態以上に増幅しすぎる傾向があるので、これでは世界経済は不安定すぎるでしょう。
やはり、世界中が金交換を保障しなくなりますと、紙幣発行限度のけじめがなくなりますから、一定の基本財産の倍率以上の紙幣発行を禁止することと、発行済み紙幣の担保となるべき政府資産の目録作成基準を国際的に取り決める必要があるのです。
それには、貨幣発行権限を世界統一制度にしていく必要があったでしょう。
世界的システムの必要性については、03/26/08「国際単一通貨と移動の自由」前後で連載しました。
ところで、政府資産の目録作成・評価は困難ですから、統計の未発達な時代には、大雑把な基準として金保有額にたよる昔からの制度は合理的だったのです。
それに政府資産を全部か書き出してもすべて換金出来るとは限らないのですから、当座・・短期的資金の目安としても合理的でした。
とは言え、この金保有基準をやめる以上は、その代わりになる基本財産を決めるルール作り・・・国際協定が必要だったはずです。
後に書きますが、紙幣の担保になるべき資産の基盤としては、国内総生産や対外債権の総和・・GDIが今のところ簡明で合理的でしょう。
GDI自体が、直ちに外貨交換要求に対応出来る現金資産ではないのですから、外貨流出量は金融資産を基礎としてその他の資産のその何十分の1という基準になるべきでしょう。
その上で、銀行同様に一過性の取り付け騒ぎに対しては、協調して(外貨融通制度の創設)これを防止するなどのシステムが有用です。
ところで、ニクソン大統領が1971年8月15日に金とドルの交換停止を発表したことを、ニクソンショックとわが国では言われていますが、これは、ショックでも何でもないのに、ショックとしか受け止められないわが国のレベルの低さを表した言葉です。
こういう重大事態は1朝1夕に始まるものではなく、その数年前からドイツその他欧州諸国・日本との貿易収支不均衡による金の流出が問題となって、国際協議が繰り返されていたのです。
アメリカの連続する貿易赤字により、アメリカが戦前戦後を通じて長年の貿易黒字で溜め込んだ金が枯渇してきて、金ドル交換資金に不足が生じ始めていたことが原因でしたから、金交換制度を維持するにはドルの大幅切り下げしかなかったのです。
(たとえば、ドルを半値に切下げれば金保有額が倍になります)
その前から、日本の輸出自主規制、課徴金などの交渉が続いていたのですから、交渉が進まないことに業を煮やしたアメリカの実力行使だったのです。
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