07/21/08
紙幣の発行限度2
紙幣の担保となる各国政府資産の内容が不透明なままで、しかも商品券や銀行のように準備金の制度もなく、金や銀と交換もしないというアンバランス・・無茶な制度になっているのが、現在世界の金融システムの基本問題です。
ニクソンショック以来、歴史上当然であった、紙幣と金や銀との交換をするという実物の裏づけの必要がなくなって、各国政府の好き勝手に好きなだけ印刷できるシステムになったのです。
歴史上の出来事で言えば、改鋳を繰り返して悪貨を流通させる悪政の代表のように世界中の政府がなったということでしょう。
改鋳が成り立つのは、最初に政府の信用があって、少しくらい質を落としても、分からないだろうということから始まるものです。
高級料亭吉兆がやっていたのも、雪印その他大手の食品のやっていた偽装工作も先祖の信用があればこそです。
これが制度上公認された・・改鋳どころか1%の金も入っていない紙切れでも良いと言うのが、ニクソンショック後の世界貨幣制度です。
非理法権天の法理として、08/01/07「裁量権乱用の歯止め3(水俣事件2)暴力団とは?1」その他で紹介してきましたが、まさに何の裏づけのない「紙っ切れ」でも政府が価値があると言えば、価値のある社会になったのです。
どんな商売でも独立したばかりで、取引の最初は信用がないので現金取引ですが、徐々に信用がついて来ると信用取引に移行しますが、各国政府間取引も一応の信用だけでやっていこうとなったのがこの制度です。
それでも新興国や、最貧国の通過では心もとないので信用のある米英仏独日などの元列強の通貨だけが信用取引の対象になっていたのですが、その親玉が米国ドルという仕組みです。
それにしても何の裏づけもないのでは、不安です。
ドルその他の政府発行紙幣の場合、発行元が政府だから民間より信用があるので、商品券のように、外貨流出残高の2分の1まで外貨準備が必要がないとしても、アメリカ政府は海外流出量の67分の1しか外貨を保有していないのでは、(幾らなんでも)ドルの信認に足りる量としては危機的状況と言うべきでしょう。
ドル建て債務の場合には、支払い時期が来ればドル紙幣を好きなだけ発行して払えばいいだけで、デフォルトする余地がないと言うのが、紙幣の乱発を制限するシステムがないことによるモラルハザードの典型です。
その大量発行したドルを持ってきてユーロや円に替えてくれというと「ユーロ・円が品切れです」とアメリカ国内では断ればいいだけですが、世界中どこでもドルがその他通貨に換えられないとなれば、これはとりもなおさず、ドルの売却が成立しない・・経済的にはドル価値がゼロになったのと同じことですから、以後ドル表示での国際取引が成立しなくなります。
そうなるとアメリカ商人は、現金取引・・ドル換算700億ドルしかない外貨保有の範囲でしか取引できませんから、これを以ってデフォルトになるだろうというのです。
ですからドルは幾らでも印刷できるといっても、外貨交換の取り付け騒ぎが起きれば味噌をつけてしまいます。
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