07/12/08

低金利政策と国民経済7

低金利政策は以上のように、従来無借金だったボーダーラインの階層まで借金経済に巻き込んで行きますので、不健全な社会を作り出すことになりますが、国民を少しでも多く与信社会に組み込みたいと言う立場(一種の悪魔の政策ですから、私は反対ですが・・・)では正しいことになるのでしょう。

わが国の長期にわたる超低金利政策の結果、退職金などを原資にした受け取るべき金利が減少し、ぎりぎりの生活をしていた年金生活者等がサラ金の顧客に転落した人も多くいたはずです。

ゼロ金利政策は、金利収入の強制的召し上げだという視点で、05/06/03「低金利政策は憲法違反?6(資産の強制移転と憲法学)以下で連載したことがありますが、多くの国民は、「金利生活者なんて贅沢だから・・・・」と私の意見には目もくれなかったでしょう。

(多くの国民がこのコラムを読んでいるわけでもないので、当たり前ですが・・・・。)

金利生活者というと資本家のイメージですが、実際には、国民年金、厚生年金・年金基金すべて過去の積み立ての元利での還元支給ですから、個人で老後のために貯蓄して運用しているか、国がやっているかの違いでしかないのです。

高齢化社会では、高齢者全員・・現役を退いたものは、すべて金利生活・・過去の蓄積による生活者なのです。

フローの収入源のなくなった高齢者にとっては、元気な時に個人年金を積み立てて過去に蓄積したお金を元に金利で生活しているのは、贅沢でも何でもありません。

若いころに個人年金として積み立てているときには、高齢化したら、何十万円の年金を貰えると楽しみにしていたのに、この20年ほどの超低金利の結果、高齢化してみると予定年金額の半分程度に減ってしまった人が一杯いるはずです。

この結果、予定が狂って借金地獄に落ちている人もいるでしょう。

現在年金財政の赤字が問題になっているのも、突き詰めれば、長期にわたる低金利政策に大きな原因があるのです。

少子高齢化が原因で年金制度が赤字だと宣伝されますが、少子化の効果が出るのはもっと先の話であって、現在の年金赤字の原因は長期にわたる超低金利にあるのです。

年利5〜8%前後の利率を予定して組み立てられていた年金給付予定が、ゼロ%金利で約20年も続けば参ってしまうのは当然です。

低金利政策と年金生保の赤字の関係については、05/07/03「低金利政策による副作用(生保、年金の苦境)2」前後で連載しました。

これを個人の預金に当てはめると、金利低下のために、金利と若干の元金取り崩しで均衡していた階層にとっては、金利プラス年金のみでは生活が出来なくなって元金部分の取り崩しとなる構図です。

 



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